弊社スタッフが交替でお届けする、ときに鋭く世相を斬り、ときに緩やかにあなたを癒す珠玉(?)の時事エッセイ。お仕事中の息抜きなどにお読みいただけたら幸いです。

2008/05/01 第02回  格差社会と、忘れ“もの”

“格差社会”は人の住む社会に必然として生まれます。
日本の近現代史の中で社会全体が近代化に向かっていた時、向う所が何んであれ格差を感じずに多くの人々は歩んでこれた。
しかし、1945.8.15 日本の大東亜戦争の敗戦を境に日本人はすべてと言っても良い位、過去を捨て去ってしまった。そして与えられた民主主義の自由、平等、人権は個人主義となりその心地よさの中に埋没、経済成長第一で進んできた。
今日、市場原理主義社会への展開(グローバル化)は“利”の追求社会であり受ける恩恵に大小、多少が生まれます。格差は副産である。 他方、日本は社会主義国と揶揄されるほど、セーフティネットが存在します。 そして、多くの国民は、種々整備されていることを知っているし、格差社会、悪だ!! と叫ばれていても、それでも自分たちは世界の中で良い方だと気付いている。
社会の在り方に、理想を唱えた共産主義国は一部を残し消滅しましたが、一部の知識人達が唱えた社会など何処を探しても見当たりません。ありましたか?
資源もなく、何流かに落ちた教育水準、低い労働生産性、そして兵役義務もなく、自由、平等、人権、そして平和と叫んでいれば周りからも一目置かれ、許される義務観なき不思議な国です。

1995年バブル経済崩壊後の不況期、この年の生活保護受給世帯は601,916世帯、2005年11月、その数1,048,661世帯、税支出は2.4兆円。一世帯当りの受給額は、認定にハードルがありますが、老齢基礎年金額より高い。この状況を是とすれば年金積金せず、生活保護受給者になった方が良いと、考える人が存在しても責められようか。
また、2008年1月発表では受給世帯は大幅に増え、1,475,338世帯、税負担2.6兆円。注目すべきはこの増加にあります。65歳以上の高齢者世帯が増加している事が顕著であろう。この侭推移すれば少子・高齢化、核家族化時代に取り残される世代であり、先に見えるのは
「もう社会の役にたたなくなった老人から、もっていた権利を剥がして、成り行き任せ・・・」そんな時代に向かっているような気がします。

既に地球の危機といわれている時代に、10年先も示せない国体では(道路を作ることだけに夢中)若者が将来を探ることすら出来ない。先の無い老人然り。
日本人が戦後、喪失してきた“もの”が歪んだ社会を創造してきたのです。
老人を前期、後期高齢者に分けるという心が“もの”そのものです。
舵を切るのは今しかない。老後の心配無用の誰、彼さん、国政を弄ぶ時ではない!権者には哲学が無くてはならぬ。
“政治とは明日枯れるとわかっている花に水をさし続けることだ”(故大平正芳元首相の言葉)