弊社スタッフが交替でお届けする、ときに鋭く世相を斬り、ときに緩やかにあなたを癒す珠玉(?)の時事エッセイ。お仕事中の息抜きなどにお読みいただけたら幸いです。

2008/09/01 第06回  日本の外交

今日ほど、外交(政治)の重要性を感じない人はいないだろう。
外交とは、国家の代表と外国の代表の国際社会における問題に対応するため、二国間又は多国間で行う様々な政治行動を指す。外交は" 戦争である" に喩えられる。国益の異なる国々とのぶつかり合いに" 勝つ" という意思も気概も現代において感じられないのは何故か?
(嘗ての陸奥宗光(外務省敷地内に銅像)、小村寿太郎のそれには何かがあったと思う)

溯れば、1945年からのGHQによる占領政策にその根源がある。昭和50年代に文芸評論家江藤淳氏(1999年自死)がアメリカで発掘したGHQ民間検閲部局の内部文書には、
出版・印刷物の削減または発行禁止処分の基準として31項目が定められている。これに準拠してGHQは英語に堪能な10,000人もの日本人協力者を雇用しあらゆる情報の検閲を行ったのである。(のちに協力者は、社会で要職に就き戦後日本の世論形成に影響力を発揮した)禁止条項は公表されなかったので推測でしか書けなかった。結果は処罰を恐れ、処分を受けずに済む方向へ誘導され、今日迄日本人は言葉を封じられ、思考することを喪失してきたのである。この検閲制度の最大の狙いは、戦前の日本国を全て否定することであり、大成功するのである。もっとも効果があったのはマスコミ界、教育界であり、その教育者に育てられた人材が時を経てあらゆる分野のリーダーとなり、マスメディアの影響力とによって、波及効果は絶大となった。
日本国が独立する1951年以降もこの失われた時空社会は延々と続き、顧みることなく、自然の流れの如く、日本人は受け入れてきた。
今日の稚拙な外交(政治)は、こうして戦後言葉を失ってきたところに起因がある。

以下主な禁止条項を幾つか挙げる。ここから現在を想起していただきたい。
●SCAP(連合国最高司令官/部)が憲法を起草した事実への一切の言及と批判
●連合国の戦前の政策に対する批判
●軍事裁判(東京戦争犯罪法廷)批判
●アメリカ合衆国に対する批判 他に別項でソ連、イギリス、中華民国その他連合国全般に対する批判(5項目)占領軍に対する批判
●満州における日本人の処遇(日本降伏後のソ連人及中国人による日本人捕虜および民間人の取扱いを指す)に対する批判(シベリアへの強制連行・抑留、60万人とも100万人ともいわれる)
●戦争擁護・国家主義・神の国・軍国主義・大東亜共栄圏・全的(日本の)プロパガンダの禁止(6項目)
●朝鮮人に対する批判
●ソ連対西側諸国の対立についてのコメント
●親交(とくに連合軍兵士と日本女性との親密な交際を指す)に関する言及・批判<
(多発した占領軍兵士の犯罪記事も書けなかった)
参考、江藤淳著「閉された言語空間」(文春文庫)、西尾幹二著「GHQ焚書図書開封(占領軍に消された戦前の日本)」(徳間書店)に詳しい。
GHQ (General Headquarters)