弊社スタッフが交替でお届けする、ときに鋭く世相を斬り、ときに緩やかにあなたを癒す珠玉(?)の時事エッセイ。お仕事中の息抜きなどにお読みいただけたら幸いです。

2009/03/02 第13回  日米同盟・日本は大国?


戦後の日本が二国間で安全保障条約(軍事同盟)を結ぶのは米国だけである。
1951年9月サンフランシスコ講和条約締結後、二国間だけで同日、日米安全保障条約を結ぶ。以来、半世紀以上もの長い間継続されている同盟であるが、現在の日米関係を動かす制度的構造は、ほとんどが冷戦初期に確立されたものであり、これもサンフランシスコ講和条約で成立した政治取引を土台にしている。
同盟とは双方にとって国益がある。という前提で成り立っている。

その国益は中味において、質において異なるが、
いま、まさに国際社会が大きく変貌を遂げようとしている時代に、我が国はこの日米同盟の重要性を基盤から見直す必要に迫られている。見かけ上の同盟の結束や、良好な関係を謳い上げるレトリックに惑わされずに(特に日本の指導者は国民向けにとるポーズである)日米関係を変える為にやらねばならぬこと多く、真のパートナーシップ構築に務めなければならない。(既に米国側はその方向へシグナルを送り続けている)
アレン・ダレスが推進した二つの条約は太平洋を挟んだ太平洋同盟として、米国は敗戦国日本に多くの恩恵を付与、日本は経済に国策を集中し、現在の繁栄を得た事実が、同盟とは何か、ということを真剣に考えない日本人にしてしまった。(同じ敗戦国ドイツ国民が経験した塗炭の苦しみを日本人は全く経験をしていない)
最も重要な関係はパートナーシップであり、政治、経済、文化等々分野でこれを醸成する努力を惜しんではならない。嘗て米国はジョン・D・ロックフェラーⅢ、エドウィン・O・ラインシャワー氏等日本とのパートナーシップの構築に努力され、貢献してきたが、日本側に両氏の功績に比する人物は存在したでしょうか。又、これらの面では後退するのみである。

日本の経済発展、世界情勢の変化とともに、同盟の中味も変化しなくてはなりません。
1970年ライアード米国防長官が日本の報道関係者とのインタビューで「日本の自衛隊がマラッカ海峡のシーレーンを防衛するようになるかもしれない」と示唆。これに対して日本では反発の炎が燃え上った。又、1981年伊東正義外務大臣が「日本は1000海里までシーレーン防衛の責任がある」と示唆した時も、野心的コミットだと厳しく批判された。それが2001年秋に海上自衛隊がマラッカどころか3,000km離れたアラビア海に派遣されたが、この時はほとんど反発らしいものはなかった。又、近年は特別措置法をでっちあげ、イラクサマワへの陸上自衛隊の派遣、インド洋艦船給油活動、イラクへの航空自衛隊の派遣任務を遂行してきた。これらの派遣では、日本は経済面でグローバル化の恩恵を最大限享受しながら、活動を保証する為の行動を他国に委ねて来たことに思い致さねばなりません。しかもその派遣は、自立した独立国としての決断でないことは明白である。
昨今のソマリア沖アラビア海上での海賊行為取締りに海上自衛隊派遣を考えるが隣国の韓国、中国の実行を横目に見た結果であろう。
重要なエネルギー資源や貿易を海外に依存している日本は、シーレーン防衛の理念、国策がなく、常にその時々で対応するにとどまる。日本の指導者が同盟の重要性を言うにつけ、同盟の基盤とする理念、パートナーシップの構築に本人が努力してこなかった現状は、いまだに三流国以下の評価しか得られない。最近の米中関係は同盟国同士の如く、パートナーシップの構築に双方共積極的に行動している現実や、(日米間より濃い)ドイツは同盟推進の為に、各政党は米国に事務所を設け、積極的政策活動をしている。(日本の政党は助成金を戴きながら米国とのパイプを継ぐ努力をしていない。外務省出先機関も同様)

日本は米国に500兆~600兆円の債権を持つといわれている。(実体は掴めていないようだ)それらは主に米国債を買わされているお金です。無理やり貢がされて紙切れ同然の米国債を買わされ、しかも、日本の金庫には殆どなく米国に預けていて勝手に処分できないようになっている。日本が保有する僅のgoldも同様であるらしい。
従って、この日本国民の大切な巨額な資金は多分、戻らないだろう。諦めるより仕方ないかも知れない。米国は戦後の日本に多くの恩を売った代価だと考えているだろうから・・・
更に2月23日のオバマ・麻生会談でも米国債を購入させられているだろう。戦後日本人が日米同盟とは何か、を、真剣に思考して国策としてこなかった累損が積みあがって、将来にわたって影を落とす。

左を向いても右を向いても輝き放つ希待の星、政界に発見できず、官僚は国民の眼の届かぬ所で鳴りをひそめ、牙を磨いている。
世界の経済危機は日本を直撃、しかし未だに日本だけがスタートラインに立てず、誘導してくれるのを待つ、情けない恥しい国である。無防備無為無策の国である。
世界第二位の経済大国と自ら名乗るのも痴がましく、恥しい。政治大国を併せもって初めて世界相手にリーダーシップを発揮できるのである。
経済大国ではなく、設備大国にかえて頂戴!!

一部「日米同盟の静かなる危機」ケント・E・カルダー(ウェッジ)参照