弊社スタッフが交替でお届けする、ときに鋭く世相を斬り、ときに緩やかにあなたを癒す珠玉(?)の時事エッセイ。お仕事中の息抜きなどにお読みいただけたら幸いです。

2009/08/03 第19回  64年目の原爆忌によせて


核兵器は国連(国際連合軍)常任理事国米英仏、露中にだけの保有を誰が認めたのでしょうか?
未保有国は核拡散防止条約(NPT)に加盟、国際原子力機関(IAEA 次の事務局長に日本人天野之弥氏就任)の厳しい査察を受け入れるという議定書を批准させられる。核は原子力エネルギーだけでなく兵器にも応用されるという面を同時に持つからである。この枠組みが存在するにもかかわらず、インド、パキスタン、そして北朝鮮は核兵器を開発、拡散させ今日の危機を招いている。また、イランとイスラエルの敵対する国も核兵器保有へ歩んでいる。(イスラエルは既に保有しているといわれているが、同国は保有を明言していない)常任理事国とて拡散せず、と断言できますか!?
世界の核兵器の現状は誠に憂慮すべき事態であり、日本国は北朝鮮の核兵器の脅威を最も感じてなくてはならぬ国でありながら、自国を自らの力で守るという意思を確立できなかった極めて脆弱な国、危機感なき国になり果てた。(周辺国、中国、ロシア、北朝鮮そして米国は核兵器保有国)脆弱なる国であることは次のことから明らかである。

日本国立法府、衆、参議院は「核廃絶に向けた取り組みの強化」を求める決議を全会一致で採択した。
「わが国は唯一の被爆国として世界の核兵器廃絶に向けて先頭に立って行動する責務がある。冷戦後も核兵器の脅威は高まりつつある。現実を重く受け止め、核保有国の理解を求め、核軍縮、核不拡散の取り組みを実行ある査察体制の確立を積極的に推し進めるべきだ」

まず、文言にある日本国は唯一の被爆国として今日迄何を為したのですか? 1945年8月6日広島市、8月9日長崎市に原子爆弾が投下されてから数えて今年は、64年にもなるのです。しかし未だ原爆症患者としての認定問題を解決もせず、どの顔して先頭に立って行動する責務がある。などと言えるのか。
日本国民は唯一被爆させられたのであり、責務(責任)はない。責務あるは投下した米国にあることを何故、堂々と表明しない。米国が謝罪をして始めて廃絶に向けて両国は認識を共有できるのである。
この「責務がある」と思考する国会議員の先生方は何処の国の人ですか?
美辞麗句だけに止まらず、とんでもない自縛自虐姿勢であることにも気付かず、本質を見失った侭決議しても、何にも出来ないでいるのが現実です。
その因は日本国憲法前文にもある。
「・・・、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。・・・」これに尽きる。自国、すなわち自国民の安全否、生存すら他国に委ね、自国民が北朝鮮に数百名拉致されても他国の公正と信義を頼りに、拉致被害者を取り戻す国としての決意、決断もなく、故に行動もない。

オバマ大統領の登場で、米国は核兵器廃絶に向けて舵を切っているように見受けられる。チェコのプラハでは「核兵器のない世界を目指す。二度、核兵器を使用した道義的責任を感ずる」と演説した。
正直に申せば次のように演説して欲しかった。
「日本国の広島市、長崎市に原子爆弾を投下、一瞬のうちに十数万人を殺りく、放射能を浴びた数十万人の日本国民が原爆症で死亡し、現在も苦しんでいる人々がいる。この現実を直視し、道義的責任を感じ、心より謝罪申し上げる。ついては私の任期中に被爆者のご冥福をお祈りするため、広島市、長崎市を訪れることをここに約束する」無理でしょうか?

日本国は大東亜戦争に敗けました。敗れた国がすべて悪いという論理は戦勝国が行った極東国際軍事(東京)裁判で定着した。しかし1951年9月8日調印したサンフランシスコ対日講和条約ですべて終結したはずなのに、東京裁判での個々人への判決受諾を外務省は誤って?解釈し東京裁判のすべてを認めてしまう流れを作ってしまった。その責は大きく自縛自虐の原点である。
八月、もうすぐ原爆忌がやってきます。
広島市平和記念公園の記念ドーム(碑文は自虐的)原爆ドームを視界に入れた時の構図に、その空間に相応しくない建物群が飛び込む。これは行政側のこの空間を大切に想う心の喪失である。それは平和へのメッセージにも影響し、昨今のそれには心動かされない。長崎市のメッセージには被爆地人としての叫びを感じ、心引締る想いがある。この違いは何なのか?
長崎市の平和記念像に籠められた想いは、原爆の脅威、平和を、又原爆投下時の静けさ、原爆の恐怖を、そして犠牲者の冥福への祈りである。
日本を代表する彫刻家、北村西望の代表作である。
日本人は等しくこの想いを繋いでこそ、核廃絶への力となる。合掌

付・ロシアのプーチン首相は「核を保有しない国は、主権国家の名に値しない」
大英帝国時代の首相パーマストンは「イギリスには永遠の同盟国もなければ、永遠の敵対国もない。あるのは永遠の利害関係者のみ」

最後に、米国が広島市、長崎市に原爆投下した背景は、米軍の日本本土上陸作戦遂行の折には、戦闘で米兵50万人~100万人の犠牲者がでる。だから早期終結のために投下したと米国の歴史は教えている。日本は米国説を鵜呑みにしているだけである。大嘘である。
原子爆弾を落す為に日本国の無条件降伏を遅らせたのである。
鬼塚英昭著「原爆の秘密」国外・国内編(成甲書房)は驚愕の書籍である。