弊社スタッフが交替でお届けする、ときに鋭く世相を斬り、ときに緩やかにあなたを癒す珠玉(?)の時事エッセイ。お仕事中の息抜きなどにお読みいただけたら幸いです。

2010/01/05 第25回  日本の政権交代 危機! (一部敬称略)


2010年1月1日
謹んで新しい年をお祝い申し上げます。
多くの方々のお陰をもちまして、厳しい年を越すことが出来ました。厚く御礼申し上げます。
本年もご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

日本の政権交代 危機! (一部敬称略)

2009年は3回"日本の政権交代 危うし!"を掲載してきた。2010年を迎え民主党・社民党・国民新党連立政権の100日間を省みると、危うし!は危機!に変色している。

民主党はmanifestoを掲げ、政権交代を連呼、権力を付与された。しかし、すぐ次回参議院選挙を睨み、僅か数名しか議席を持たない政党に絶対多数を持つ政党が自の意志を曲げて彼等に摺り寄る様は異常である。何事を決めるにも政局絡みである影の権力者小沢一郎民主党幹事長の国民には理解しがたい意向で、国の舵取りがなされている。政府与党の役割分担、陳情の幹事長室一局集中は、政府への無言の圧力と化している。政策決定前の議論は首相と各国務大臣とのコミュニケーション不足から意見の食い違いで錯綜、政権そのものが迷走している。
manifestoと現実とのギャップはその多くが国民の前に晒され、首相・幹事長の政治資金問題もプラスされ国民の政権支持率は大きく低下して来た。
何れにしろ国内問題は適当な所に治って行くから、冷静に政治家の動きを視つめていればよいと考える。
しかし、日本の外交、安全保障問題に単純な思考、陳腐な主義主張を持ち込んでしまえば首相が交代する度に異なる結果を招き、まかり間違えば国民の生命と財産を無にしてしまう危険を孕む。この大事な基本をこの政権政党は認識していない。
日米同盟を緊密で対等の関係にしたいというなら、日本の安全保障に絶対外せない領土防衛に自らの手で堅守する自主防衛路線の強い意志とその整備計画が不可欠である。集団的自衛権の行使言及も出来ず米軍基地なき日米同盟など論外である。防衛予算は削減し続けこども手当完全実施なら防衛予算を超える。(竹島問題を教科書記述から外し、これをこども達にどう教えるのか! 政権の姿勢は反日である)
米国軍のプレゼンスが日本国に何故必要なのか?→
不要なら日本国の安全保障政策を明確なビジョンを以って国民に説明する義務がある。
2016.7韓国駐留米軍は一兵も残らず撤退することを念頭に入れているのか?
→アジアにおける米軍の役割は将来どのようなシステムになるのか?
北朝鮮の核問題と6カ国の国益の違い。中国と台湾問の経済は緊密さを増しながら、政治的主義の違いから海峡を挟んで緊張が存続。それに日本や米国がどう対応していくのか。中台関係は両国問題に非ず。

中国国内の民族紛争、隣接する諸外国との関係。日本を取り巻く諸外国はすべて問題を内包していて、鳩山首相の友愛による東アジア共同体構想など、諸外国では腹の底で嘲笑している。COP15での鳩山イニシアティブも評価されず、日本国だけが厳しい環境の中で出費を増やす仕組みが、決定されないでよかったと思う。奇麗ごとをいうのが外交ではなく、COP15での中国の強欲なまでの国益主張は謀略、裏工作の結果であり、世界はリアリズムで成立している証である。

更に重要な問題は、中国の習近平国家副主席を天皇に面会させた、天皇陛下の政治利用である。天皇陛下の国事行為は10項目、拒否権はなく、外国の賓客との会見は国事行為ではない。故に面会には1ヶ月ルールを慣習として踏襲してきたのである。これによって天皇外交は誰からも高い評価を受け、崇敬の的となっていたのである。それを破って中国政府→小沢幹事長→鳩山首相→平野官房長官→(外務省)→羽毛田宮内庁長官の流れでゴリ押しした。
しかも宮内庁長官の経緯会見で懸念を表わしたことに、小沢幹事長は「国事行為」であり、国民が選んだ内閣の助言と承認ですべて天皇は政権の言うことを聞けばいいのだという。その上宮内庁長官は役人のくせに文句があるなら辞任してから言え!と恫喝、内々の話では"あいつ"呼ばわりをしたという。
この小沢一郎の態度、暴論は傲慢無礼である。これに民主党内部から批判らしき発言はない。小沢一郎の憲法解釈の間違い、そして政治的関与をしない天皇陛下に対する不敬極まりない態度、高圧的独裁者顔に正面から体当たりできない会見場でのメディア連中の不甲斐なさは、メディアと民主党は偕老同穴か?(未熟な記者を政治家の側に張り付けるな)

中国は1989年6月の天安門事件の処理を誤り、国際的窮地にたたされていた。そこで1992年10月23日天皇訪中を実現させ、国際社会に復帰させた日本。この時の首相は宮澤喜一である。中国の当時の外相銭基琛は回顧録に天皇訪中は政治的利用の最大の効果である。と語っている。これはまさしく天皇の政治利用であったのだ。
今回の天皇と習近平副主席の会見問題は中国次期国家主席の権力闘争の渦中にある一方の人物に肩入れしたことになった。《太子党の習近平副主席、共産党序列第6位 うしろ楯江沢民:青共団李克強筆頭副総理、共産党序列第7位 胡錦濤派》
〔中曽根康弘元首相は、一連の経緯を肯定(老いた風見鶏は静にして欲しい)〕

更に小沢一郎は国会議員143名を含む600余人を率き連れ訪中、胡錦濤主席に拝謁、1人ひとり主席と握手する図を撮影する光景は、粗悪品を大量生産する現場そのものであり、全員で記念撮影する図はベビーブーマー世代の修学旅行の如く、まさしく中国への朝貢外交である。これで何回目!
聖徳太子以来独立した邦として歩んできた日本国は、昭和の敗戦後米国の属国のようだと言われ続け、この民主党連立政権は、反米親中路線へ舵を切っただけでなく、中国は宗主国的存在になったのである。

まだ続く、小沢一郎は中国から韓国へ飛び、李明博大統領に会う。(国賓待遇なみ?)
ここでは、永住外国人の地方参政権付与を決めます。と約束、民主党が在日朝鮮人団体、民団の支援を受けている以外にどんな理念と権利があって約束したのでしょうか?憲法違反故にmanifestoに掲げれば問題ありと判断、Index2009に移し、選挙中そしてこの100日間は普天間問題、国内問題で迷走している間に国民の目を逸らし、影で牙をむき出したのである。
更に2010年は日本が朝鮮を併合して100年を迎え、天皇訪韓を推進するという。そこに待ち受けるのは「日朝併合」に対する謝罪の言葉を天皇から発言させることにある。これも天皇の政治利用である。(習近平副主席との会見と繋がっている)
未だ「村山談話」に呪縛され、その上もうひとつ加えようとする小沢一郎なる人物を日本国民は支持し続けるのですか?
中国李鵬元首相は1995年オーストラリアにて「日本なんて20年後にはなくなっている国」と同国首相に語っており、その言葉を日本人自らが実践しているのではないかと、小沢一郎の言動は「日本の危機」そのものである。
危機感の欠片もない。保守の禄を食んだ人ですか?日本人ですか?

政治家は国民の投票による洗礼を受けなければならないが、政治家を志すなら日本の歴史を少なくとも1853年から関った諸外国の動きと共に学ぶことが最低の条件である。

若い哲学者適菜収氏の記述より
政治家が「民意」を尊重し、「民主主義の原点」に戻ろうとしたことが、日本社会を破壊したのである。政治家がやることは「民意」から距離をおき、「民主主義の原点」から国家・社会・共同体を守ることである。こういう言い方が奇異に聞えるとしたら、それは日本人の多くが「民主主義=善」という洗脳教育を受けているからだ。逆にソクラテスからニーチェにいたる哲学の伝統は次のように教える。すなわち「民意」を強調する政治家には警戒せよと。