弊社スタッフが交替でお届けする、ときに鋭く世相を斬り、ときに緩やかにあなたを癒す珠玉(?)の時事エッセイ。お仕事中の息抜きなどにお読みいただけたら幸いです。

2010/09/01 第33回  日本の歴史外交 危うし!Ⅱ


今年の夏は熱い!
猛暑は連日続き"熱中症"という死に至る怖いニュースを聞かない日はない。水の事故と共に犠牲者は増え続けている。集中豪雨による大洪水は二次災害を誘発、土石流は大災害となって多くの犠牲者を出した。森林火災は大規模化し、長い時空の中で少しずつ成長してきた樹木を一瞬のうちに灰と化す。大旱魃による穀物の大巾な減収は食糧確保を難しくする。ロシアの穀物作付面積は25%壊滅したという。この異常気象は"青くて美しい地球"と感嘆の声をあげてた宇宙飛行士の浮世離れした言葉に反し、地球に住む人類に対する無言の怒り、警告を発しているのだろうか。
人類が営み続ける為に、発展、成長の名の下に杭を打ち、穴を掘り、山を崩し土を叩き、埋め、大改造される地球は悲鳴をあげているのだろうか。自然に優しくすることは精精形を変えて見映えをよくする事ぐらいしか出来ない。人類は、地球から授かった恩恵に謝し、国家と国家が知恵を出し合い上手く棲み分ける努力を怠ってはならない。

有史以来人類に紛争は絶えず、国家間の争いの多くは戦争という経緯を辿って来たのは歴史が示す通りである。歴史に残る戦争のほとんどは侵略戦争であったのが実体である。勝者は常に己の行為を正当化、敗者は侵略されたという怨念が歴史認識となっている。勝ち負けは事実として残るが、正邪ではない。
嘗て戦った両者は限々の所で納得の下に約束事(諸条約)を交して秩序を保つ知恵があったのである。
戦争に勝った国は、講和条約の最初の条文にその国が最も欲することを書き込むのである。
日清講和条約の第一条に日本が書き込んだのは、「清国ハ朝鮮ノ完全無欠ナル独立自主ノ国タルコトを確認ス」領土でも賠償金でもない。
しかし、第二次世界大戦を境に勝者が敗者を裁くという愚を人類は犯した事から、歪んだ関係を創り出してしまったのである。特に日本国が関係した戦争において、敗戦国日本は永遠に侵略国の烙印を捺され、自虐史観に基づき思考する外交を続ける限りにおいては、呪縛から解き放たれる事はないだろう。

今年の夏は熱い! 何故、心まで熱くなるのか?
その因は民主党菅直人左翼政権の愚かさにある。又、それを援ける多くのメディアにも因がある。NHKは相も変わらず日本国の戦争責任を追及する番組を手を変え、品を変え制作してプロパガンダする。国を貶める公共放送を自存させることは、理解できない。8月6日広島原爆忌に初めて参列した藩基文国連事務総長のメッセージ場面をカットして"朝ドラ"を放映した姿勢は、この日を迎えた公共放送としてあるまじき行為である。他の民放など番組すら組まず、相変らず劣悪番組を流している。NHKは視聴者からの諸抗議に"正面から向き合う心"を喪失した組織である。
組織の中枢に巣食う左翼的指導者の存在を抜きに語れない。又、これからも民主党政権誕生によって進む路を大きく捻じ曲げて行くだろう。番組の「日本のなぜ?」「Japanデビュー」などは最悪である。TVメディアの影響力は日本人にとって極めて大きいだけに罪は深刻である。表現の自由を声高に主張する資格などありやしない。会長に民間人を起用しても体質を変えられないほど腐っている。

広島の原爆忌にはルース駐日米大使が原爆投下国の代表?として参列した。米国民の反応はどうだったのか。
投下したB29爆撃機「エノラ・ゲイ」ポール・ティバッツ機長の子息は、「大使の派遣は無言の謝罪」であり「我々は戦争を終わらせた」「歴史の書換え」につながると批判した。米国民の多くは核廃絶に反対であり、原爆投下を肯定する人が半分以上居るのは、歴史教育の影響力であり、この批判を否定する人は少ない。これが現実である。(2009.8.3第19回64年目の原爆忌によせてを参照して下さい)

今年の原爆忌で想うことは、原爆による悲惨な罹災は、広島市、長崎市だけで、もう嫌だ!という強いメッセージを国が世界に向けて発信するべきである。今日迄の式は、広島市、長崎市に起きた被災であるかのような位置づけに感じられ、日本国政府はお客様か?
国が主体となって国民等しく哀悼の意を表わし、核廃絶の意識を共有できる強いリーダーシップが求められる。創意と工夫と心が不可欠である。何回も繰返し言うが、近現代史を再検証し、歴史的事実を固め、その上で不変の歴史認識を国家の意思を以って確立すべきと痛感した。
近隣諸国の歴史認識を自国のそれに影響を与えてはならない。

日・中、日・韓歴史共同研究会の議論でみられるように、中国・韓国は被害者意識と捏造した歴史事実を歴史認識として、それを国益とする国であり、事実を冷静・客観的に検証する姿勢を持ってない国との歴史認識の共有は出来ず、溝は永遠に埋まらない。と考えるのは多くの日本の思考する所である。

敗戦国となった日本は、勝者米国を侵略国とは考えていない。然るに中華人民共和国は日本国に対して勝者なのか?建国されていない国と戦は出来ないのである。国共内戦によって敗れた中華民国(蒋介石政権)と戦った事実が、正しい歴史認識であろう。
韓国は台湾同様侵略して植民地化したのではなく、当時の世界秩序の枠組みのなかで一つひとつ手続きを外交的に積み上げていったのである。又、宣言ではなく条約で最終的に併合を達成、統治したのである。喩え、国民の一部が反対したとしても、国家間の決め事に後付けで覆す正当性はない。当時の欧米帝国建設は、ほとんどの場合日本の大韓民国ほど合法的な手続きを踏んでいなかったのである。これが当時の事実である。

   「日韓併合の条約は偽りであり、重大な欠陥が見える」と法的には無効という声明が出された。それに署名した顔ぶれを篤と記憶して欲しい。
大江健三郎(作家)、小田川興(元朝日新聞編集委員)、姜尚中・小森陽一・高橋哲哉(東大教授)、坂本義和・和田春樹(東大名誉教授)、佐高信(「週刊金曜日」発行人)、沢地久枝(ノンフィクション作家)、三谷太一(日韓歴史共同研究会日本側座長・東大名誉教授)、山室英男(元NHK解説委員)(2010.4.1第28回 日本の歴史外交 危うし!参照)

前回で俎上にのせた民主党政権仙石由人官房長官は、韓国の日韓併合100年に合わせて首相談話を出す意思があることを書いた。大韓帝国が日本に併合されて100年に現代の韓国が何を企んでも勝手である。日本がそれに呼応して節目といって韓国に出向き、談話の内容について希望を伺ったらしい。(大韓帝国は現在の北朝鮮を含むことを失念していませんか?)
歴史の事実を視る心を持たない者が、現代の価値観といっても左翼的イデオロギーに基づくのみならず、独断専行で、恰も国民の意思を代表するのかの如く、談話を菅首相に発表させた。義憤すら感ずる。内容は左翼の総理大臣村山富市談話を踏襲したという。同じ誤ちを繰り返すことは嘘も真実に措き変わる如く定着、韓国側に国益として価値がある限り、併合150年、200年・・と延々と続くのである。
"朝鮮王室儀軌"80部116冊等を「お渡ししたいと思います」は考えた末に「返還」を使用しない知恵だけはあったんですが、早速、韓国政府はメディアに配布する翻訳文に「返還される」とし、それを正当化した。日本政府は何もコメントしない!韓国のメディアは日本側の考え方を忖度、談話内容そのままの表現を使用した所もあったという。少しでも救いなのか。

又、サハリン残留朝鮮人への支援継続を約束する。何故支援をするのか?
既に100億円近い支援を行ってきた実体を国民は殆んど知らされていない。自民党政権も民主党政権も事実を視ないで誤った歴史認識を持つ故に、日韓議員連盟及びプロ左翼人権弁護士に翻弄され(仙石弁護士もその一人)国民の血税を惜しげもなく使い続けられるのである。(この項だけでも一つのテーマになる)

しかし、敗戦国日本は戦場が国外であっただけに、現地の人々に多くの苦痛を与えたことも事実であり、国家間の諸条約締結時に反省と謝罪、そして賠償を実行して来たのである。
翻って、先の大戦での日本国民の犠牲に対し、戦後の為政者は謝罪をしただろうか。海外で散った英霊を悼む心さえ喪失し、総理大臣が交代する度に中国・韓国に反省と謝罪を繰り返し、日本を貶め戦争を知らない世代に何と説明をする。現代の緊張した北東アジア情勢の安全保障にどう起ち向かうのかの確乎たる理念なき国に若者は、何を希待できるのだろうか。

現代日本の歴史認識を考える最良の策は、日本と米国の間に"歴史共同研究会"を設け、オープンな議論を展開する事だと考える。米国は第二次世界大戦の事実上の戦勝国であり、戦後日本を占領・統治した国である。米国と共同研究を進めるにあたり、米国側は冷静に対応できると考える。
マッカーサー元帥:日本国は自衛戦争の部分もあった。
ブッシュ前大統領:ヤルタ会談は間違いだった。靖国神社参拝の申し入れもあったが、日本側が断った。等々のメッセージも含め、米国は時を経て秘密事項でも情報公開するシステムを持つ国であり、事実への到達は冷静かつ論理的議論を継続することによって、日米の新しい関係が構築されると希待が持てる。

民主党左翼政権誕生による地方議会の動きを前回指摘したが、影響力をもう一件示す。
国立歴史民族博物館(佐倉市)の沖縄戦「集団自決」展示において、旧日本軍の関与があったという解説文を削除して展示していたのを、沖縄市民団体の圧力に屈し日本軍関与の記述を加えて修正する方針を決めた。
理由「館内外の研究者らによる委員会」証言資料の検証結果で関与を史実として認定。
この問題は、沖縄が米軍に占領統治下にあった時代に「沖縄タイムス社」編集の「鉄の暴風」に集団自決は日本軍の命令であった。と記述。当時、米軍は旧日本軍は悪であるとプロパガンダしなければ出版許可を下さなかった。故に真実は記述できない状況下にあったのである。この「鉄の暴風」を左翼作家大江健三郎はパクって「沖縄ノート」(岩波書店1970年)を出版した。文化勲章受賞を断って、ダイナマイトを発明して資産家となったノーベル家が設立したノーベル賞を喜んで受けた左翼作家は訴訟を起こされているのである。
左傾化している現代、司法も含め日本を貶める事など、似非進歩的文化人にとっては、願ってもない時代になってきたのである。民主党左翼化は危うい時代の構築を企んでいるのであろうか。

菅直人首相は談話発表に際して、"首相の評価は歴史が決めるものだから歴史に恥じぬ行動をとる"と心境を語った。一見真面に聞えるが、歴史を待つ迄もなく、評価に値しない為政者である。
靖国神社参拝を菅直人首相、仙石由人官房長官、岡田克也外務大臣は "悪"だと考える。ゆえに、他の国務大臣の参拝など考えられないのが民主党左翼政権の所以である。異状な政権である。
その靖国神社に8月15日は166,000人の参拝者で溢れた。
当日正午、道を挟んだ日本武道館に関係者のみを集め、戦没者慰霊式典が行われた。その模様は靖国神社内に設けられたスピーカーを通して参拝者に伝えられる。神社内では参拝者も黙祷、国歌斉唱を行い、首相の声明、天皇陛下のお言葉を聞く。境内の何とも言えぬ静寂さの実態は、何処からからきているのか?

道の向こうの武道館の人々よ!歩道橋を渡ってこっちへ来い!そう叫ばずにはいられない。
しかし、この日本国に"歩道橋のない道"="渡れない道"が何故存在するのか?
一人ひとりが考える秋なのではなかろうか。