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2010/10/01 第34回  日本の国土はだれのもの!


2008.10.1第7回"日本は海洋国家"であると定義した。
日本の国土は領海、海域を含めた範囲という認識を為政者は持たねばならぬ。
2010.9.7東シナ海尖閣諸島近海のわが国領海内で起きた中国漁船(軍事訓練を受けた漁民が乗船する事実もある)が海上保安庁の巡視船「よなくに」に衝突させた事件は、起こるべくして起きた、日本の安全保障の問題である。

尖閣諸島は1895年(明治28年第二次伊藤博文内閣時)に領有権なき地を先占の法理によって領有を宣し、実行支配をしてきたわが国固有の地である。それから70余年、国際社会で領有権を主張する国は存在しなかった。1953年1月8日付「人民日報」の記事に「琉球諸島には尖閣諸島、沖縄諸島、大隅諸島などが含まれる」と明記されている。
しかし、1968年国連のアジア極東経済委員会の海洋調査で同諸島に豊富な海底資源の存在が明らかになり、翌1969年から中国が俄に領有権を唱え始めたのである。1979年鄧小平は来日の際、次のコメントを残していった。
「尖閣諸島の問題は、次の世代、また次の世代に持ち越し解決すればよい」と領有権を暗に主張した。この時、日本は尖閣諸島問題で中国に「領土問題は存在しない」と明確に応えればよかったが、その後を見れば日本の対応は優柔不断であったことが窺いしれる。
その後の中国は改革開放政策によって経済力、軍事力を徐々に拡大させ、1992年「領海法」を制定した。
領海法に
     「中国の大陸とその沿岸の島嶼(大小無数の島)、台湾及びそこに含まれる魚釣島とその付近の各島(尖閣諸島)、澎湖群島、西沙、南沙諸島及びその他一切の島嶼を包括する」とうたっている。
この一方的覇権主義的領土観は中国内の国内法であり、身勝手な法である。
台湾は中国の領土との主張を、この「領海法」でも主張しているのである。(尖閣諸島=台湾=中国)
中国はこの国内法によって尖閣諸島を、澎湖諸島はもとより東沙、西沙、南沙諸島において、日本、ベトナム、マレーシア、インドネシア、フィリピン、台湾などと増強した軍事力を背景に積極的に係争を起こしている。
チベットや台湾と同列に扱う「核心的利益」の位置付けである。
ベトナムの抗議に対しては「西沙諸島と隣接地域に論争のない主権を有する」とはねつけた。
フィリピン領有海域では、フィリピン駐留米軍の撤退を機に南沙諸島の主要な島々を占拠実効支配に入った。
中国の軍事力増強は圧力として、東シナ海では日本と、南シナ海でASEAN諸国と緊張状態を生み、インド洋ではインド側の警戒感を高めている。日本の海上自衛艦船のインド洋上での連合国艦船への給油作戦を国際情勢の視えない民主党左翼政権は、急いで中止する愚を犯したのである。かえて、泥沼化しているアフガニスタンへ給油作戦費用の数十倍の税金4500億円を投入する結果を選択したのである。

海洋覇権国家へ我利を貪る中国と対峙する国々は、日本を除き自国の安全保障を優先、軍事力を強化、米国を含めた連携を図っているのである。日本は蚊帳の外。

日米同盟への亀裂が結果を招いているのである。日本は海上自衛艦を保持するが、自国領海内に故意に侵入した外国船に対処できない。対して日夜職務を遂行するのは海上保安庁であり退去要請しか出来ない。(国土交通省の所管ですって!?)
関係者には敬意を表する他ありません。
国家主権を侵害する不法行為である領海侵犯を取り締まるのに、我が国は漁業法や入管難民法(不法入国)の違反容疑で対応している。
今回は退去要請行動に対し、故意に衝突させた行為を公務執行妨害を初めて適用した事件である。
領土や領海を不法に侵害する行為を排除する為の法制化がされていないという日本の安全保障政策の欠如は、更に相手国を助長させるだけである。

民主党左翼政権は菅直人総理の続投となった。
今回の中国漁船の日本の領海内における意図的衝突事件にみる中国政府の尖閣諸島領有権主張、日本政府の正しい対応に対する外交的無礼な姿勢及び独立国を恫喝する態度に唯々"憶憾"で済ませる問題ではないと考える。この屈辱感は、日本人なら誰もが抱く感情であろう。
更に、日中懸案のガス田開発に関する条約締結交渉の一方的延期、全人代委員の訪日スケジュールの破棄、そして様々な交流事業の破棄は続き、何でも"有"の強行姿勢を採ってくる。日本への抗議デモの容認で中国在住日本人に日本政府は"注意"を呼びかける。
しかし、日本人の危機感のなさは、ゼネコン・フジタ社員4人が軍事管理区域内へ侵入やビデオ撮影したと疑われ、拘束されたという。化学兵器(日本軍が遺棄したという)処理施設建設予定地の状況把握調査のため訪れていたという。(注)
又、日本政府は米国での菅首相と温首相の会談を日本政府から申請しないという。媚びるが如く見えるのは視る眼が悪いのか。
戦前の歴史にどこか似ていませんか?その時、日本政府はどう対処したのでしょうか。国の威信をかけて心血を注いで努力した事実を学んで欲しいものです。

この問題での前原前国交大臣の発言を政府は共有せよ。(蓮舫さんは少し傲慢になっていませんか)
そして、太平洋での中国覇権を容認しない米国との日米同盟の関係修復、正常化を急ぎ、強化、さらに中国と対峙する国々との強調を積極的に促進することである。同時に自国は自国で守るという安全保障政策の確立と、言葉だけの主張ではなく強い意志を以って、領有国土を実効支配する行動で示すことである。
これからの日本政府の選択肢は、「尖閣諸島に領有権問題は存在しない」という姿勢と、問題発生には毅然と対処する法の整備と気概を維持することである。

日本国有の領土である竹島は韓国に、北方領土はロシアに実効支配され、返還要求も国民的運動になっておらず、この侭では夢を繋げない。この問題では、日本は"日本固有の領土である"と声を大にして叫び続けなくてはならない。
大問題なのは、日本国民にも偽政者と同じ、日本人としての"何か"を喪失していることである。
2011年6月台湾外省人をはじめ世界に散る華人団体は結束して尖閣諸島への大規模な上陸作戦計画するという。世界に定住する華人団体は中国と深く結びついているのである。プロパガンダの先兵である。

世界の大多数の国々は、ごく一部特殊国を除き、経済面でのグローバリゼーションを認識、国益優先で経済行為を行う事に異論はない。欧米、日、中、は勿論のこと、他の国々も同じ方向を視ているのである。そこには国際的慣例や法に則り双方の国益向上の為に協調できるものと考える。本来そこには優劣、強弱はない。しかも、強い経済力、軍事力を背景に我利を貪る権利は、いかなる国家にも付与されないという、不変の倫理があることを指導者は認識しなくてはならない。世界の国々すべては、国益第一であり、日本国は憲法前文の「・・・平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決断した。・・・」に寄りかからず、毅然とした姿勢を貫かねばならない。それが国土を守る独立国の為政者の責務である。

日本の国土を守る視点からもうひとつ申し上げる。

日本の国土面積は3,778万ha(1ha=0.01?)である。そのうち森林の占める割合は66.8%の2,512万ha、人の住む宅地は174万haで全体の4.6%にすぎないのである。他に農地用504万ha、原野26万ha、道路123万ha、水面・河川・水路132万ha、その他306万haである。
森林のうち国・公有林1,058万ha、私有林1,457万haであり、保安林は869万ha(国土の23%)を占める。保安林とは水を育み、洪水を防ぎ、山崩れや土砂流出を防ぐ為に存在するのである。
何故、小学生が学ぶような数字を表わしたのか。
日本の安全保障の問題点が視えるからである。
2010年の異常気象は日本の国土を痛めつけた。記録的集中豪雨は山を削り、土石流を発生させ、狭い土地に住む日本人に大災害をもたらせた。これを日本の安全保障問題ではないと断言できるだろうか。否である。少子高齢化は森林の機能を破壊させ、農用地の有効利用を放棄させ、食料自給率を低下させて来た。戦後の日本国運営に国民を守るという広義の安全保障政策無き故の帰結である。
嘗て、朝鮮併合時、朝鮮半島は貧しく、山々は禿げ山と化していた。災害の元凶でもあったのである。日本は貧しかったが、国民から徴収した税の多くを朝鮮半島のインフラ整備に充てた。そのひとつとして植林事業、ダム事業を積極的に推進、水を征服したのである。現在の北朝鮮は極貧国であり(政治的弊害による)燃料を樹木に依存する故に伐採が進み、禿げ山となり大洪水を誘因、食料不足、飢饉、餓死の連鎖となっているのである。

過去の大教訓は当時の為政者には哲学があった証であるが、現代の日本人には何時の時代から国民の為の国造りの哲学を喪失して来たのか。その因はいったい何処にあったのか?歴史を視、そこから学ぶという事は何も戦史だけではないはずである。
この狭い国土(世界の国の平均的国土面積の半分)に1億2750万人が定住しているのである。菅総理は日本国民"1億2000万人"の為の政治を行うと発言した。750万人は何処に消えたのか。日本の現在の人口を正確に把握しないでラフに表現する軽い総理である。
この日本の国土は誰のものなのでしょうか?
日本国のもの、日本人のものである。
日本の林業は森林保護、維持が難しくなってきています。少子高齢化による就業人口の減少、木材の商品付加価値の低下等何ひとつとっても将来性が視えません。この保安、保護、育成に関与できなくなった森林は保安林として機能しなくなり、目的を果たすこと難しくなってきている。そこに触手をのばす外国人が急増しているのである。即ち、日本の国土が外国人に所有され最早日本の国土ではなくなるのである。
森林、山を所有することは、水の確保にも継がるのである。水の確保という人類生存に最も重要な問題に世界の国々は力を入れているのである。チベットにあるヒマラヤには多くの水源があります。それが流れ流れて、ベトナム、ラオス、ミャンマー、タイ、カンボジアへ下り、多くの人々を養っているのです。中国は自国領にダムを建設、水資源の占領を企って、他国と妥協しない国家である。日本の森林を外国人が所有することの意味(所有権である)を深慮遠謀を以って、日本の安全保障とすべきである。

又、長引くデフレスパイラル状態の日本で特に地方の疲弊は悲劇的である。金になるなら、たとえ、行儀が悪くても"背に腹はかえられぬ"ので中国人観光客を呼び込む為に政府はビザ発給条件を大きく緩めてしまう愚挙に出る。観光立国を目指す長期的良策など全く無いのである。又、経済成長著しいアジアの国々の富裕層をターゲットに豪邸を建て、販売する地方も出現している。
果たしてこれで良いのだろうか?
"対島"の現実を日本人は何故見ようとしないのか。日本のマスメディアは現実をニュースとして流すだけで、そこに日本人としての衿持も愛国心の欠片すらない。掘り下げて日本の国土保全という重大な安全保障問題に繋げられない精神構造しかないのである。"対島は韓国の領土だ"と来島者は叫び、碑まで存在するという。又、土地も買い占められられているという。竹島同様、合法的実効支配に等しい対島である。

この狭い国土に所有権を持つ日本人の権利を外国人に売却し換金するという行為が何をもたらすのか。我々は深く考えなければなりません。民主党左翼政権の外国人地方参政権付与姿勢、そして千葉景子前法務大臣所管の外国人在留許可認定を、不法滞在者にまで安易に特別在留許可認定を与える姿勢は、近い将来危うい定住者の増加に直結するのである。
この問題は土地所有権問題と併せて考える必要性を強く感じる。

国の安全保障を考えれば、自国の土地を外国人に売却、所有権を与えることの危うさを論議すべきである。外国人に国土を市場開放する条件は所有権ではなく、借地権付与である。
中国に進出する外資企業は経済行為の基になる土地はすべて借地権の購入までであろう。中国の土地所有権に対する国家の戦略は正しい選択である。

日本は民主資本主義社会であるが、この狭い土地、国土は外国人に売り渡してはならないのである。日本政府は早急に法改正を進めなくてはならない。

国土を守ることは、国民に与えられた最小の義務であり、その国民から負託されたすべての為政者の最大の責務である。

(注)
「遺棄化学兵器処理事業」そのものを、日本政府・日本国民は認識していないのではないでしょうか。
大東亜戦争の敗戦によって、中国大陸日本軍はすべての兵器を各地において中華民国軍に引渡したのである。この引渡しに際する詳細な資料が遺されていて、受取人の署名まで明記されているのである。戦後の兵器処理に関しては手順を踏んで実行されたのである。
国際的ルールであって、日本軍が勝手に遺棄したのではなく、その後、内戦に至る経緯の中で中華民国軍、駐留ソ連軍が遺棄したものである。中華人民共和国と国交回復後、日本国はODAとして多額の税金を投入してきたが、中国人にはその認識すらなく、ODAの終息と共に俄に中国が騒ぎ出したのである。
「化学兵器禁止条約」を楯に、日本国の責任であると一方的に決めつけ、処理するよう求めて来た。ここでODA代わりにこの処理事業を日中双方で利権構造に仕立てあげたのである。(外務省、防衛省)
全量処理に1兆円の税金投入が必要という説もあるが、中国側の要求範囲の拡大によって、どこ迄膨らむか予想がつかない。フジタ社員は、この処理すべき場所に施設を建設する為の調査であり、その場所は中国人も立ち入れない土地、即ち、中国側では軍事管理区域としているだけである。この事業を凍結し再検証すべきである。

9月24日、那覇地検は拘留していた中国漁船船長を「身分保留」のまま釈放すると決めた。せめて「起訴猶予処分」にすべきであった。
日本国の完敗である。結果、中国共産党政権の専横姿勢が世界にまかり通る路を敷いてしまったのである。日本国民の閉塞感はこうして積みあがっていくのである。
民主党左翼政権は、国民に「中国に隷属する日本となった」とでも説明しますか!?
チャイナ・リスクはこれからも続く!
(9月24日記)