弊社スタッフが交替でお届けする、ときに鋭く世相を斬り、ときに緩やかにあなたを癒す珠玉(?)の時事エッセイ。お仕事中の息抜きなどにお読みいただけたら幸いです。

2012/08/01 第56回  日本の原子力発電所は?!


2011.3.11の東日本大震災は大津波を誘発、18,000余名の犠牲者を出す大災害になったのです。それから1年と5ヶ月になろうとする今、復興は23年度予算15兆円のうち40%弱が政府(復興庁)と被災自治体との調整に手間どり5兆8728億円が未消化となった。これを次年度に繰越さずに「不用額」として“処理”したという。この「不用額」という意味を文字通り解釈すれば、再予算化しない。と理解する。
復興に明るい兆が見えない現状を考えれば何んと冷酷な役人の論理ではなかろうか。

福島第一原子力発電所事故によって大災害の三層体になったのである。各種事故調での結論は地震ではなく津波による複合災害、しかも“人災”であるという。

発電所を中心に半径20km圏内に居住する福島県民は、混乱した政府の指示に翻弄されながら避難生活に入ったのです。計画的避難区域、警戒区域は20km圏外でもある深刻な地域飯館村のように避難指示解除地域・居住制限区域・帰還困難区域に区分され住民は強制的に分断されたのである。
震災被害の復興は全く手つかずその上での避難生活に“国の責任”と言う国家は、東電任せで避難者の苦境に理解を示していない。故に種々な復興事業に希待を抱く避難者を見い出すことは出来ないのである。
国策で推進して来た原子力発電事業に絡む多種の利権を、電力会社をはじめ、政治家、官僚、地方自治体そして住民は共有して来たことは紛れもない事実であるが、事故が起きその負の部分を住民が一身に背負う現状は余りも理不尽である。

原子力発電所事故の影響は54基一斉稼動停止となって電力エネルギー不足を生み、エネルギー政策の転換期になっても未だ方向すら示せていない。
政治が自ら決めずして「革新的エネルギー・環境戦略」と銘打って国民の意見を聴こうとする。(意見聴取会)
西日本の電力不足軽減に大飯原発を稼動させる事に近畿地方自治体は反対し「脱原発」を連呼するも、猛暑の前に沈黙!。
意見聴取会は将来の原発エネルギー比率を3段階に分け(0%、15%、20~25%)各々の主張を発表する集会に電力関係者が選定され大苦情が出、政府は関係者を排除するという。そして0%の支持者が多く発言者を3名→6名にするという。(輿論の誘導である)

日本社会は原発反対支持者・団体の感情的で穢い荒言によって原発維持派のまともな意見を封殺する環境になって来た事を憂います。常日頃から言論の自由を訴える人の集団は自分等の意に添わぬ意見を封ずる態度を臆面なく取る行動を許容して来たのは、戦後日本社会が歩んで来た産物である。

7月1日から自然再生可能エネルギー買取り制度が施行された。2013年3月末までに事業売電契約締結事業者より買入れる。日本の自然再生可能エネルギーで太陽光発電、風力発電とも地政学的に考えても原子力発電所に代替して日本のエネルギー源の主役にはなれないのである。(戦後の教育に「地政学」が存在しないのは、GHQの戦略故である。)
例えば、3000kW最大出力の太陽光発電を45,000m2に10億円投資して900世帯の年間電力消費量を賄うという。2000kWで6億円投資とか、多くの計画が紙上に載っているが2000kWで420世帯分。この数値も何を基準としているのか認識に苦しむのである。
投資額に比して回収期が長いこと。又パネルが20年間等しく機能するのか疑問符がつく。又パネルの効率も高くて20%である。
従って100%太陽光が降り注がれても20%しか電力化できず残りは反射してしまうのである。この反射熱が問題化されていない事も不満である。温暖化を促す事になりはしないか。

英国では2020年迄に洋上風力発電機を7000基設置計画。3200万kW原子力発電所32基分、投資額13兆円。(2020年英国の総電力の30%)
日本は風力発電機で何時迄にどの位の発電を可能にし、投資額は、・・・という政策もない。
日立製作所がリトアニアより原発建設受注4000億円。100万kWとして英国の風力発電と比較すれば同額になるのである。

電力の完全民営化・発送電分離を原発事故を境に正論の如く大声を出す人達が居るが電力の安定的供給を民間で完遂する事は出来ないものであるという基本理念が政治に求められているのである。故に国が責任を以って推進する分野なり。

原子力発電所全基停止によるエネルギー源の確保のために:
・自然再生可能エネルギー分野の促進に太陽光42円/kW、風力23.1円/kWの買取りは電気料金の上乗せになり何れ破綻する。
・燃料費(火力発電用)2兆6000億円増加(電気料金値上に)
・貿易収支は赤字に陥った
・原子力関係技術者の減少
    原子力を学ぶ大学3学科、大学院8専攻
       入学志願者733人 前年比△10%
       入学辞退者60%
    原子力関連企業 就活 H.22年1,903人 H.23年496人
エネルギー自給率4%で原子力発電含んでも20%。
石油の80%、LNGの30%は中東から輸入。
優秀な原子力関係技術者の行き場は中国、韓国であり、半導体技術の流出パターンと同根なり。

これまで原子力発電所事故によって起きた副産物の一部を掲載したがすべて意を含んだものである。
しかし、これらのことは断片的な面ばかりで
原子力発電所の良否を感情的に叫ぶ前に
オスプレイ沖縄配備の良否を感情的に叫ぶ前に
日本国として乗り越えるべき前提がある事を忘れてはならない。
オスプレイ配備に反対する人達に国が措かれている緊張に米国の力を借りずに自力で日本国を守る覚悟ありや!
為に日本国憲法を如何せん?!
護憲を叫び、米軍の核の傘の下で平和を貪り米軍基地は要らない!米軍は出て行け!
普天間基地近くの小学校の移転計画は反米のためのスローガンを失う故に計画をつぶしたのは誰?
そろそろ、これらの矛盾に気が付いても良いのではないか。

それでも危惧する事は、自衛隊は日本国民にとって何んなの?
東日本大震災や各地で起きる災害は自衛隊の組織的行動によって大いに勇気づけられ助けられているのである。自衛隊には本来の責務があり、日々怠りなく訓練・準備しているのである。
自衛隊は防災に参画してきたし、これからも継続されるだろう。故に統合防災演習の一環として自衛隊の連絡要員が東京23区に徒歩で出向き、被害状況・出動要請などを確認する演習で、自衛隊側が23区に対し「隊員を区役所内に立ち入らせて欲しい」と要請したら23区中11区が拒否。立ち合い要請に7区の防災担当職員は立ち会わなかった。(注)
この記事に触れた時:
災害発生時には自衛隊が懸命に活動する事を当然視、平時に災害想定、演習は極めて重要なプロセスである。それを拒否するなんて、何を考えている!
国民の安全を死守する組織、自衛隊員に対する敬意を払う心を喪失した日本人、誰がそうした?!

このような自治体には:災害時に自衛隊に出動要請する資格なし!
自衛隊には要請されても出動するな! と申し上げたい。

原子力発電所事故によって被災し避難生活を余儀なくされた方々の苦しさ、口惜しさ、挫折感、喪失感は人生最大の負であろうと察します。1年5ヶ月になろうとする今日、国、東電側の姿勢に被災者側へ情理を尽しているとは考えられない。
そこで原子力発電所のメリットは十分理解しつ、大事故が起きた時に為さねばならぬ事は安全と安心を被災地の住民にいの一番に提供する事である。
福島第一原発から半径20km圏内には双葉郡の8町村が在り、いわき市、田村市、南相馬市の一部を含み圏外だが飯館村はコミュニティが壊滅しています。
先ず、原発から20km圏内及び飯館村は全域をすべて恒久的立入り禁止区域にする。
域内に居住している人すべてに新天地で新しい人生を構築してもらう。
前述した「不用額」5兆8728億円すべてを賠償費に充てた場合。
双葉郡8町村、飯館村で約77,000人、周辺地域を含めて避難者は約160,000人とすれば、1人当り3580万円になるのです!
大雑把ですがこの位の誠意を表わさなければ本来金で買えない最悪の悲惨な環境から再スタートは切れない。(該当する土地、建物、失業によって失った収入源等すべてを買い取ることを意味する)

国は第一原子力発電所の廃炉を粛々と進め、事故原因の究明、新技術の開発に全力を傾ける事である。

そして、立入禁止区域に使用済み核燃料の処理施設を英知を絞って建設することでしか原子力発電所事故の教訓を活かしつつ後始末を完璧に行う事にはならない。
小手先、先送り体質では日本国を再生できない!

(注)
自衛隊員の立入りを拒否した区:
     千代田区、中央区、港区、新宿区、目黒区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、豊島区、北区
立ち合いも要請していたのに防災担当職員が立ち会わなかった区:
     千代田区、中央区、港区、墨田区、世田谷区、渋谷区、中野区
自衛隊拒否の背景:
     12区が市民グループから「自衛隊に区の施設を使わせるな」との申し入れを受けている。
練馬区:住民監査請求を受け、「自衛隊員に区役所の水、電気を使わせるのは違法だ」と主張。