弊社スタッフが交替でお届けする、ときに鋭く世相を斬り、ときに緩やかにあなたを癒す珠玉(?)の時事エッセイ。お仕事中の息抜きなどにお読みいただけたら幸いです。

2013/04/01 第64回  日本のエネルギー政策は!


我が国は資源小国である。
我が国は貿易立国という立ち位置である。
我が国は世界第三位の経済力を持つ。GDP OECD加盟国3位/185カ国
   1USドル78円で443兆5,548億円、95円で540兆2,270億円
我が国の国民1人当たりの所得は2011末 45,870USドル 17位
   1USドル78円で3,577,860円、95円で4,357,650円

我が国の戦後社会の移り替わりは精神、生活様式、教育等々、すべて戦前を否定しながら、成長戦略、国家支出に変化をもたせ経済力を強くし富さを求めて来ました。
そして、戦後の地域共同体の老いた親たちの面倒をみた社会は、自らの老後の安心の裏返えしでもあったのである。しかし、地域共同体も崩壊した社会の変化は老後を含め、生きる裏付けを行政に任せる傾向となってしまった。
現在そんな戦後的な生き方は破錠していることに気付く人はどれ程いるのでしょうか?

今日の日本を造りあげた最大の力は!と問われて我々は何んと答えますか?

人の勤勉性、忍耐力、協調性、向上心等は人間として持つべき特質であり、日本人は最大限所有するところの優秀な民族であった。
他に忘れてならないのは、エネルギー源の確保と効率化の技術開発なくして経済力向上は為し得なかったのである。
日本のエネルギー源は水、石炭の国内産エネルギーで経済維持出来た時代から石油に主力が移り日本の経済力は加速、大きくなったのである。
嘗ての日本は、国力増強にはエネルギー源の確保は必須であったが、その為に大きな国民の犠牲という代償を払い教訓を得たのである。

石炭、石油は貴重なエネルギー源である反面CO2を含む汚染物質の発生抑制が不完全で大気、水質汚染、呼吸器疾患現象は社会問題化した。
日本人の問題解決意志は技術開発となり、環境に配慮した世界最高のエネルギー効率化技術を確立、更に前へ進んでいるのである。
更に産業構造の変化、環境問題、高熱効率化、資源確保への配慮を総合的に判断すればウランを使用する、原子力発電によるエネルギー確保へ移ることは人間の招く自然な流れであったのである。
但し、核を扱う国は国連常任理事国5カ国で独占、先の大戦の戦勝国だけの特権だったのであるが、米国の後盾で日本は核を扱う原子力発電所建設が認められたのである。
そして安定したエネルギー源の比率が高まるにつれ、経済効率が高められ火力の割合が下って、貿易収支も黒字基調となって来たのである。
日本の原子力発電による電力供給は、日本の経済発展に寄与し、安定した地位を占めていたのである。

しかし、何事に於いても、人間の生存する社会に於いても完璧な安全など存在しない事を我々は哲学として認識することを失念していたのである。

1986年旧ソ連ウクライナ チェルノブイリ原発事故は現在なお多くの問題を抱えた侭、時空を費やしている。
そして2011年3月11日東日本大地震(M.9.0)は大津波を伴い死者、行方不明及関連死を含め20,000余名を数える大参事となったのである。それだけでは止まらず、日本のエネルギー源の主役・原子力発電所福島第一原発4基が打撃を蒙り、破壊され各種放射能物質が飛散、大事故にも繋がったのである。
原子力発電所事故は初めてであるが、大地震の津波による被災は有史以来常に起こるべくして起きる、日本国の地政学的位置であることは、現在、安心・安全を何の疑いもなく生きる我々への警鐘である。
原発事故以来の経緯を詳細に記することは、国民等しく共有している筈であるから省く。

2013.3.11大震災から2年、前政権民主党の初動に国家観・危機管理もなく日本のエネルギー政策は定まらず日本人は迷走する民と化したのである。

ここに事故以来表面に出でた諸事柄を一部列挙するので我々一人ひとりが、これからの日本のエネルギー政策はどうあるべきか、自問することであると考える。そのなかで最も大きな懸案事項は原発事故で避難生活を余儀なくされている150,000人余の方々の“これから”に最善の対応は何か?を我々は求められているのである。
日本人の賛同を獲得する論理的説得力を持たぬ市民プロ的人種の意見など論外である。

◎2012年  国際収支での経常収支4兆7,036億円の黒字(30年間で最低額)貿易収支は11.12年共赤字
原子力発電所で廃炉決定の福島原発を除く50基のうち稼働する大飯原発を除く48基の発電量の代替エネルギー燃料代1日2億円/基、2億円×48基×365日 3兆5,040億円追加費用必要。
原発φ案で、この侭原発再稼働なしとした場合、自然再生エネルギーの普及を考慮しても、最大(現況)59兆5,689億円~32兆円の輸入増、即ち外貨が減少するのである。(2030年)

火力発電のコスト燃料費と排出権費用の合計が全体のコストに占める割合
 ・天然ガス87%
 ・石炭  71%
 ・原子力 11% コストの大半は人と技術に関するもの(準国産エネルギーである)

自然再生エネルギーの買電料金、太陽光エネルギー 1kw/h 当り42円、20年買取り制度を施行したが今年既に38円に買取価を下げた。(原子力発電は1kw/h当り10円に相当する)

太陽光エネルギー総出力250,000kw(原子力発電所1基分の1/4)を得るには500haに656億円~861億円の投資が必要。20年間売電して投資額を回収可能(但しkw当42円固定が条件) S市は土地使用料、固定資産税を事業者から徴収、事業者は採算度外視なんてあり得ない!が利益は出ない。 500haとは5km2という広い土地であり原発1基分だと20km2に相当。(世界一大きい太陽光パネル製造メーカー中国のサンテックパワーが社債転換ができず破綻。何故?)) 仮に原発50基分を自然再生エネルギー太陽光パネルで補うとすれば1,000km2の土地に17兆2200億円の投資であり、現実には、その殆どが電気料金の上昇となって消費者負担となる。当然ながら火力に依存する場合も同様である。しかも長い時空に!

福島原発事故で国が直轄で除染する範囲は田村市、楢葉町、川内村、南相馬市、飯館村、川俣村、葛尾村、浪江町、大熊町、(富岡町、双葉町は除染対象面積調査中)で22,990haに及び、原発50基分の太陽光パネル面積は除染範囲の4.35倍に相当する広大な土地である。

太陽光・風力発電
   自然由来の国産エネルギーであるが天候依存による供給の不安定さ需要に対して供給を確実に保証できない。火力発電のバックアップがないと能力を発揮できない。

その火力発電の源、天然液化ガス、石炭、石油は輸入に依存。燃料の高騰は避けられず、産出国の資源戦略に左右される。これは経済的、安全保障上極めて不利な状況となる。

風力発電では日本の風況など恵まれた土地少ない。
   風力に期待できない土地にオランダ製風車を設置、耐用年数前に羽根部分落下、この自治体では年4,500万円の赤字である。

洋上風力発電は日本近海に風況良い所多く期待のもてるものであるが、建設技術、投資効率の面から未だ著についたばかり、英国では洋上風力発電7,000基 3,200万kw 原発32基分、2020年英国の発総発電力の30%確保(1基4,500kw )投資総額13兆円

中国と日本のエネルギー自給率94%:4%である。

女川原発 19人のIAEA担当者を含む外国人が視察「あれほど巨大な地震でも女川原発は驚くほど損傷が少ない」

青森六ヶ所村は1998年原燃と覚書を交わしていた。
使用済核燃料再処理を六ヶ所村施設でしないなら県は、電力会社に施設内にある核燃料を返却しますので引き取って下さい。(民主党政権は核燃料再処理作業を継続すると決断)

原発ゼロなら原子力建設輸出不可能
米国、欧州、アジア、中東、南米でも原発建設の商談が発生している。しかし日本の福島第一原発事故への対応にも注目している。自国(日本)で危険と批判した世界最高水準の技術を海外に輸出できない。
廃炉はそのほとんどの工程はゼネコンの仕事であるが原子力事業要員は事業縮小によって4,500人の1/10以下に減少して来ている。

ドイツでは日本の原発事故後、いの一番で脱原発政策を発表、現実にはEU諸国との問題やら多くの課題が存在しているが、2013年世論調査では70%近い人が「費用が高くても、やる価値のある先駆的な取り組みだ」と支持。

石炭火力発電所建設、新増設燃料費1kwh当り4円、石油の1/4、LNGの1/2 NO2は石油と同等CO2はLNGの1.5~2倍が問題であるが、新技術開発によって削減可能。

原子力発 電エネルギー政策を確立する為に思考すべき主な事柄
1. 電気料金の高騰2010年の家庭平均の倍32,243円に
2. 原子力関係人材の喪失
3. 外交・安全保障への影響
4. 追加的国民負担
5. 使用済核燃料の再処理政策の転換
6. 火力発電への切替え、原油、LNGへの依存高まる
7. その他

日本のエネルギー政策の中心は何んと謂っても原子力発電政策であり、外すことは出来ない。そこで前述した内容や原発事故後の様々な人間の言動の変化を踏まえ私見を述べる。ただ、既に戦後的な生き方は破錠しているにも関わらず、それを認識していない故に、原子力規制委員会はじめ、反日的メディアも含め、こぞって「ゼロリスクの虜」になっていて言動に説得力もない。


人間は生きる社会に於いてリスクが存在することを知っているが、原発に対しては無条件で無限のゼロリスクを希求する。福島第一原発事故による被災者の多さと、環境が復元する迄の歳月の長さ、苦しさを共有も出来ずに感情的、観念的に脱原発・卆原発と無責任な発言を唱える。エネルギー4%自給率の日本、原発φを選択するリスクの大きさエネルギーを欠いた社会の運命は歴史が示すところ、原発稼働停止中でのホルムズ海峡の閉鎖リスクの可能性を否定できない。
原発事故は「安全神話」という言葉であっさり否定、太陽光・風力発電等再生可能エネルギーの導入礼賛に傾いた。

地獄への道は善意(さまざまな良き意図)によって舗装されている。(マルクス資本論の一節)脱原発は善意の発想であるが、ゼロリスク神話とともにエネルギー事態を困難な方向に押し進めている。その危うさに国民はいつ気付くのか。
※動かぬ原発、沈む日本 長辻象平(産経新聞論説委員)

大震災・大津波被害による大量の瓦礫処理に協力した自治体は東京都をはじめ僅かの自治体にしか過ぎない。倒木を大文字焼きに使用する事を拒否、きれいな言葉で綴る表面とは裏腹に、すべて我が身、我が町にとっては他人事なのである。堺市は処理を検討すると宣伝して、復興予算から86億円の補助を受けその後、処理しなくて済んだのに頂戴した税金をタダ盗りした厚顔さを何んと視る!

瓦礫処理然りである。放射能汚染物、除染物の仮置き場も定まらず、我が町は否!という。
勿論、最終処分場など決まる訳もない。除染した廃棄物は自分の上地に仮埋めする仕末である。前述した国直轄除染地では除染済は未だ推定面積の12%程であり、国の費用負担(年間1msv以上)で、それぞれの自治体が除染実施する8県101市町村715,740戸(福島県412,220戸含む)のうち除染済は46,015戸に過ぎない。
住宅1戸に作業員7~8人で15日かかる。除染で年間1msv以下の住宅は10%以下、5msv/年~10msv/年が全んどという状態で3年間で1兆1,000億円かかる。(福島市3月18日 放射線量0.642μsv/hは年間2.812msvに相当)
仮置き場→中間貯蔵施設候補地→最終処分場も見通しが立たぬ状態で、避難している人、約150,000人の帰郷も非現実的であり、浪江町の放射線量は今だ9.7msv/時である。(85msv/年)

ある被災地首長はこの町には、最低でも10年は住めないだろう!と悲嘆にくれていた。

「大胆な提言」原発周辺居住不可能な土地は、すべてを国が買いあげる。

即ち、避難者のうち何人が帰住できないかを検証。最大値でも150,000人、1人5,000万円の国の負担(賠償金)としても7兆5,000億円である。
1家4人で2億円で、新たな人生設計をサポートする事が、よりベターな対策であり、国が買い上げた土地は広大な面積になり一般人が住居する事を禁じ、原発廃炉をはじめとするすべての放射線廃棄物の処理地にし、使用済核燃料最終処分場にすべきである。

国はここに集中して税を投入する事が最善の方法である。
戦後的な生き方をしてきた日本人は原子力発電所事故を契機にその代償の大きさ、深さを認識、国民すべてが責務を共有、負担する事で、将来にわたり日本のエネルギー政策の決定に参画できるのだと考える。

原発反対!は
燃料費支出の増加→国家の収支は恒久的マイナス→電気・ガス等値上→日本国の経済・個人生活へ影響大→インフレーション→?
様々なサイクル型状態を考えるべきであるが、原発反対論者の思考は、単純で感情的イデオロギー論多く原発賛成論者には響かない。