弊社スタッフが交替でお届けする、ときに鋭く世相を斬り、ときに緩やかにあなたを癒す珠玉(?)の時事エッセイ。お仕事中の息抜きなどにお読みいただけたら幸いです。

2016/09/01  第105回  “天皇陛下のお言葉”日本国は!?


“象徴天皇”としてのお務めについて天皇陛下のお言葉が2016年8月8日午後3時にビデオメッセージの形でありました。
9月1日号は天皇陛下のお言葉!!以外テーマになり得ません。


八月・・・、昭和20年8月6日広島市にウラン型、長崎市にプルトニウム型原子爆弾が投下され、当時21万人の無辜の国民が犠牲となりました。
米国では絶大なる権力を保持していた金融財閥の核開発競争の実証試験に多くの尊い生命が供されたのである。(マンハッタン計画)
そして、日本国の敗戦を事実として認識していたソ連の国際法を破った凄惨な侵略は8月15日、昭和天皇のポツダム宣言受諾詔書玉音放送後も止むことなく続き日本領土を奪った。・・・の八月!
この大東亜戦争では軍人・軍属そして市井の人々を併わせ310万余人の生命を喪いました。
その方々の犠牲は国の礎となり、戦後社会は成り立ち、復興を遂げ、2020年には3回目(初めは戦禍の為中止)のオリンピックを(五輪)開催できる迄になったのです。


八月という月は日本民族が過去に体現した苦悩、苦痛、戦禍を知らない現代に生きる70歳以下の人達が先人と思いを共有できる唯一の機会であろう。
その継承なくして、日本人の矜持、名誉、誇りを保ち続けることは叶わぬ願望でしかないのである。


敗戦は国、国民に大きな犠牲と贖罪史観を植え付けられ、堪え難きを堪え、忍び難きを忍び・・・。敗戦に伴う賠償責任を背負いつつ責務を果たしながら復興に務めたのであります。
そして国際社会に完全復帰出来たのである。
その背景には天皇・皇族の存在が“象徴”という名を冠せられても、確と日本人の心情に存在したからでもあります。
日本国が国際社会に復帰するということは、過去の事を掘り起し、ましてや事実を歪曲、捏造し、日本国・国民が貶められ辱られ、矜恃迄傷つけられる筋合いが全く無いということである。それが国際社会の秩序維持の大前提であることを、すべての日本人の共通認識でなければなりません。
そんな思考の前提に於いて、
此度の天皇陛下のお言葉について、率直に記述していきます。
「国民の安寧と幸せを祈ること」「人々の傍らに立ち、その声に耳を傾け、思いに寄り添うこと」
「自らのありように深く心し、国民に対する理解を深め、常に国民と共にある自覚を自らの内に育てる必要を感じて来ました。」
等々陛下のお言葉について、その多くの部分においては“ご尤も”であると考えます。
更に我々が言葉に表せないご心労が大きい事を推察するばかりであります。
それでも天皇陛下のお言葉について、直ぐに賛意を示したマスメディア、政治家、文化人そして多くの国民に申し上げる。


昭和天皇が生きられた戦前、戦中、戦後という世界環境の全く異なる時代、即ち、日本国の近代化、軍事大国化、大東亜戦争への道、敗戦そして占領期を経た復興期を一代でご経験された昭和天皇の“お姿”を認識せずして、天皇・皇族を日本国の歴史として語り、将来像を確立することは出来ないと考える。
それは天皇陛下の御心に従心しながら、日本国・国民の如き高貴なる精神を持たぬ国際社会の中で、敗戦後70年余年が経っても国の未来の在り方を追い求められないのは、国民一人ひとりの責任である。
昭和天皇の御心を最小にして理解するに最適なものは大東亜戦争の開戦・及終戦の各詔書であろう。(公文書である)
本来なら全文を掲げ熟読することによって、日本国天皇の御立場や当時の日本国の情勢が理解できると考えるが、一部原文で載せる。

詔書

“ポツダム宣言受諾”決定するには日本の要求する事唯々一点。
「天皇制維持ということが条件」と提示したが連合国側は
「日本国の最終の政治形態は、日本国国民の自由に表現せられたる意思によって決定するもの」との回答であった。
御前会議で粉糾し、陛下の思し召しを戴く、「先方の回答はあれで満足してよろしいから、速やかに戦争を終結する様に」とお迎有った。(迫水久常証言から)
更に迫水久常は
昭和天皇は「自分の名においては何人も戦争犯罪人に当るものはない」と述べられたことは日本国には戦争犯罪人はいないという公の天皇としての答えであり、公務において私心を出さないのが天皇であり、だからこそ日本の神々や祖先を祀り、国民の幸を祈る“大祭主”として敬慕されるのである。


昭和天皇の靖国神社参拝中断は中曽根康弘首相の中国胡耀邦主席の政治的危機を救う為の理由で靖国参拝を中止した影響による。(朝日新聞が一役買っているのである)
(明らかに昭和天皇は政治的利用されたのである)それを役人根性的発想の富田朝彦宮内庁長官の※1「富田メモ」が主因と日本経済新聞はスクープしたが、公の天皇のものではない。
亡くなる八カ月前のお言葉であったとしても“私人”のもの、それを勝手に公開する。決め付けたのは不敬です。


今上天皇の今日迄の国事行為その上ご公務の多きことは、国民等しく認識する所です。
老齢化による公務の減少は象徴天皇として責務を全うすることは出来ない。
それは「天皇」とは言えない。従って象徴天皇の務め途切れることなく安定的に続いていく事を望むには「生前退位」(譲位)しかありません。「生前退位」によって象徴天皇の務めを全身全霊をもって果たせる。とのお考えであります。
それが又、私のあとに歩む皇族にとり良いことであるかにつき、考えるようになりました。とありました。
お言葉の中に「象徴」というお言葉が6回も使われています。
我々国民は天皇陛下の言動がすべて「象徴」(日本国憲法下で位置づけられた)という我々からすれば極めて曖昧な言葉の上に起っていると、思いを深く考えなかったことを恥すべき、なのかもしれません。


天皇家の存在が詔書の中の“万世一系” 皇祚ヲ践メル・・・“のお言葉の通り、連綿として繋がっている事実の上にたたれれば天皇陛下が健康~、そして更に皇室のしきたりとして連綿と続いてきた伝統をも繋ぐ制度として存在する、摂政採用は嫌だ!というご意思によって現体制を変革しようとなさりたいお心が鮮明に浮かんできます。
そこには、国民、社会よりは「私の後に歩む皇族にとって良いことである」との含みのようにも解することができます。
象徴天皇としてのお務め(特に公務の多さ)が“重い務め”と表わしていることを如何解して良いのか?天皇陛下のご公務を管理する宮内庁の責任は重く、宮内庁(役人)の片寄った思想が見え隠れする。
天皇陛下は人間である。我々と同じ様に歳老います。誰でも年令に相応しい務めがあって当然であり、今迄のように激務とさえ申せる象徴的公務が果たせないから“生前退位”という結論は早計であり“万世一系ノ皇祚ヲ践メル・・・”を最大の念いにするべきだと考えます。
たとえ果たせぬご公務が大幅に減じようとも、それは“人”である以上極く自然の摂理です。又、天皇は天皇であります。
次世代へ繋ぐ一時期として天皇及皇族が体現し、国民はそれを黙して見守る事であろう。


天皇陛下の国・国民を念う御心は、その真意は十分伝わってまいります。そして存在していただくだけで国家にとって十分意味を有する存在として「摂政」の冊を以って切り抜けることが政治に求められる最善の策だと考える(歴史学者T氏)


天皇陛下のお言葉は国内のみならず海外でも反響を呼んだ。
様々な理解の仕方があったが、こヽでは省く。
しかし、天皇陛下の御心は既に宮内庁幹部に話され、それがマスメディアに漏洩、「生前退位」という言葉が往き交い天皇陛下のお言葉が放映されて直ぐ、国民に問う世論調査まで各機関で為された現実・・・。
マスメディアは挙って「生前退位」に賛意を表わし、その同志の有識者のコメントを中心に掲載したりTVで語らせ輿論を一瞬のうちに形成することになった。因みに国民への調査では八割以上が「生前退位」に賛成である。
一部識者が立場を異にするが、多数にかき消される。
天皇陛下はお言葉を「国民の理解を得られることを切に願います」で締め括った。
従って天皇陛下への同情が「生前退位」という流れで興論が形成されてしまっています。(表現は不敬かもしれないが、ポピュリズム的プロセスである)
そして、これが発端となって(陛下の公のメッセージ)制度改正の議論が動き出せば天皇の意思が政治に介入したと指摘されても反論できないでしょう。
それ程、此度の天皇陛下の「公」のメッセージはもっと慎重であるべきだったと改めて、天皇陛下のTVメッセージを図った役人根性的宮内庁役人の責任は重いと考える。
又、NHKは専門家の間では問題外の2人の人物が意見具進したとして著名な歴史家として出演させ興論形成した。


この天皇陛下のお言葉をめぐって視えることは、このコーナーで天皇の活動を“無の力”と存在する重要性を表現しましたが、日本国内各分野に渦巻き根付いている左翼思想によって天皇、皇族の存立が日本国民精神的支柱でなくなる日が天皇陛下のメッセージに端を発し一歩近づいているように思えてならない。
二階俊博自民党幹事長の天皇制の伝統を全く無視した俗っぽい支離滅裂な“女性天皇”容認発言は不謹慎であり、危惧する情勢への牽制発言でさえある。


現代社会のトランプ現象、英国のEU離脱決定の国民投票のように「庶民は頭(理屈)で考えるのではなく、腹(感情)で判断する」というが如く、大きく変りゆく社会の中で積みあげてきた伝統・制度上の蓄積を一夜にして崩していく民意を煽るマスメディアや多くの知識人の間に読みとれるのである。それによって政治はmobocracy(衆愚政治)へ流れていくのである。
「生前退位」(譲位)は制度改正に皇室典範の(憲法も同時)改正を伴い、多種多岐に亘る決め事を為さねば動かすことが出来ないのである。
従って、国の容を礎から変えてしまう程の大問題提起であります。
従いまして、国の容は将来も含めて、どうあるべきかという壮大な計画の中で天皇、皇族の在り方を議論すべきだと考えれば何年懸けても良い。
これまでの長き歳月の重みを慌てて結論を出すべきではないと考える。故に、今上天皇に於かれては、象徴天皇として重い公務を果せないとお感じになられている今は、摂政を置き、皇太子殿下を影で支えることが、今、処すべき最大のこと存じ上げます。そして将来の天皇、皇族の在り方の議論を積みあげた上で天皇生前譲位制の賛否に至らしめることが道筋であると考えます。


◎天皇、皇族は象徴的存在と自任されているのなら政治介入は禁句であり、政治に利用される事も厳に拒むべきものなり。
これに就いて
平成以来、天皇陛下が政治利用された件を2件挙げる。
平成4年(1992年)の天皇陛下の中国訪問です。
中国は天安門事件以来、国際社会から経済制裁を受けていました。
中国は天皇陛下訪中を江沢民国家主席と宮澤喜一首相(当時)は謀り、実現させます。
日本は制裁解除し、以降五月雨式に制裁解除が続き、中国は成長軌道に乗ってくるのです。
(共産党独裁中華人民共和国の民主化のチャンスを摘み取ったことに匹敵)
これは天皇を政治利用した宮澤喜一の最大の罪状である。(韓国との慰安婦問題の拡大も宮澤政権、河野洋平官房長官)
その証明は平成10年江沢民主席訪日。宮中晩餐会に人民服を着用し、態度は傲慢そのもの、歴史問題を持ち出し、高圧的無礼な態であったのは記憶に新しい。これは天皇陛下の訪中は彼の国の華夷秩序、周辺国の朝貢と意識づけした証である。
以降の中国の対日姿勢は歴史問題を外交カードにし、南京大虐殺記念館等々によって反日教育の確立、プロパカンダの中心テーマとなっているのは承知の通り。
もう一点、2009年末、民主党政権時代、中国の習近平副主席が訪日。
(次期主席確実といわれた)時の影の権力者小沢一郎は天皇陛下の外国要人の謁見慣例を無視、象徴天皇に断る理由はないと天皇陛下が習近平に会う事を強要したのである。それを時の民主党政権、マスメディアや野党の自民党も知識人さえ声を大にして批判した事、記憶にない。
習政権になって小沢一郎は400人もの議員団と訪中、一人ひとり習と握手する図は国辱物でした。


1富田メモ: 宮内庁長官(役人)が昭和天皇が靖国神社に参拝を中断したのは
「A級戦犯合祀されたから」と仰有った。
とのメモ書きを昭和天皇崩御、長官が不帰の人になってから遺族の手によって表に出てきたものでこれも役人の昭和天皇の政治利用である。
昭和天皇のお傍に仕えた迫水久常証言が正しい。
「自分の名においては何人も戦争犯罪人に当るものはない」
日本人はこのお言葉を肝に銘ずべきである。
そして、天皇陛下には是非靖国神社参拝を実行していただきたい。
政治に関与できないお立場ゆえなし得るものである。
これで日本は救われる!