弊社スタッフが交替でお届けする、ときに鋭く世相を斬り、ときに緩やかにあなたを癒す珠玉(?)の時事エッセイ。お仕事中の息抜きなどにお読みいただけたら幸いです。

2016/12/01  第108回  米国の変貌!日本国再生のチャンス!


米国45代大統領選挙は世界規模で岐路に起つ重要な節目だと考えていた。
選挙戦は政権与党民主党ヒラリー・クリントン候補、対峙する共和党ドナルド・トランプ候補の非難・中傷・暴言の毒舌戦に終止、歴代大統領選挙最低の評価の下で行われた。
表面的には世界中誰も彼もヒラリー・クリントンの勝利を疑わなかった。しかし、結果はドナルド・トランプの劇的勝利に終わったのである。
さあ!大変だ!これからどうなる!?
世界の国々が自国の命運を米国の変貌、政変に重ね戦々恐々となっている様が見え隠れする。
既に承知と思うが、トランプ氏の暴論を挙げてみる。
・メキシコとの国境に壁(万里の長城)を建設(一部には壁が存在するも効果限定的)
・不法滞在者の強制送還(1,100万人ともいう)
・イスラム教徒の入国禁止(世界のイスラム教徒人口総数を認識しているのか?)
・米軍の海外駐留経費は関係国がもっと負担せよ(日本を念頭に)
(負担額:日本7,612億円、ドイツ1,876億円、韓国1,012億円、イタリア440億円
英国286億円、スペイン153億円、サウジアラビア64億円)
・TPPからの撤退、米国を除く11ヵ国は積極的に推進中
(正式名称は環太平洋戦略的経済提携協定であって環太平洋パートナーシップ協定ではない。
日本のマスメディアは正しく報道せよ!)
11月22日、2017.1.20の大統領就任日に撤退声明を出すと通知した。米国主導で6年間かけて参加国の譲歩、米国有利の条件で進めてきたのに、撤退声明は露骨で更なる再交渉を要求する覇権国家の国益第一主義姿勢である。


・COP22(パリ協定)地球温暖化効果ガス削減に協調せず撤退。
(排出国1位中国、2位米国共に緩い内容にも関わらずである)
・高所得者の大幅減税
(米国の税法は他の先進国の10倍の長さになり、75,000ページで数万種の節税、減税、
免税が複雑化して組み込まれ、国民には全く理解不能)
・中国製品の輸入に高い関税をかける。
中国「環境時報」米国の政権基盤は財政的裏付けも米国エリート層の忠誠心も団結もない。
そして、中国との関係に於いてリスクを冒すことは米国には出来ない。
実行したら報復する。大量のボーイング機は欧州企業の手に。
中国における米国車の販売は大きな打撃を受ける。
アップルの携帯電話は締め出され、米国産大豆、トウモロコシは
完全に姿を消すだろう。と脅迫。
・対ロシアと協調路線
ウクライナ領土のクリミアの併合に理解を示す。(制裁とも関連する)
・米国は世界の警察官とはならない。(オバマ大統領と何か違うのか?)
・オバマケア(国民医療制度)の縮小、撤廃(2,000万人余が医療受けられず)
・サウジアラビア、日本、韓国 核武装を!(そんなこと言っていない!と翻す)
・NAFTAの再交渉若しくは撤退。


表現方法は極右的人種差別、権利差別等々口汚さが目立ち、一方ではオバマ政権8年間の負の遺産で白人の低所得層や失業者の不満の蓄積の受け皿となったのである。又、民主党ヒラリー・クリントン候補の消極的支持は好き嫌いの範疇であり、不人気振りはトランプ指示の隠れ票として表に出て来たのである。


ドナルド・トランプ次期大統領就任まで2ヵ月弱、政権人事は共和党内不協和音を引き摺っていて、政権の性格把握材料にならず不透明。更にこの期間内に行政上級職員4,000人の採用、CIAから重要な秘密情報入手しながら現状認識、そして米国の安全保障政策推進の為に今日まで関わった国々とどういう立ち位置で臨むのかも全く不透明。
各界、著名人の意見も多様で道筋は未知数である。
前掲したドナルド・トランプ暴論から見えてくる「America first」は何を意味するのか?
内向きの孤立主義に陥る危険性すら孕んでいる。
中華人民共和国の共産党一党独裁の要、習近平総書記、国家主席の「核心」とする位置づけは、国内外への強引な影響力行使に繋がる。
世界経済力第1位、2位しかも強力な軍事力を併せて保持する覇権国家が両極端な道を進むとすれば世界は混乱状態に突入する。


今回の大統領選挙戦は米国自由民主主義の悪弊が表出したイベントでもあった。
米国の所得格差の実体が識れ渡ったのである。

所得上位1%層の平均年収は1億4,000万円(日本の11倍)ヘッジファンド業者25人の平均年収は、米大企業500社の会長年収合計額より多い。(25人中約7割はユダヤ系)で彼らへの課税率は極端に低い。
米国民の9割の人の実質賃金は26年間低下し、その一方で0.1%層の資産評価は毎年数百兆円ずつ増加。(2009~2014)更に就労できるのに就職を諦めてしまう雇用市場からの退出者を含めると、正規の失業者と合算すれば広義の失業率は11%に近い。

オバマ大統領は白人富裕層の「Black mascot」と揶揄されている。
貧富の差をより一層拡大させ、金持ち・貧乏人、白人・黒人の対立感情を先鋭化させただけの8年間であった。

米国の腐敗現象
①政治資金制度の腐敗
②連邦議会を支配するロビー(ロビイストは認可制)
(トランプ次期大統領は政府高官退職後5年間はロビイストになることを規制すると声明)
③米国の少数派による国家支配(財閥系をはじめ金融界全体)
④献金(政治規制法)2,700ドル/年1人、献金は「表現の自由」であるから、法律で規制することは出来ない。と最高裁は判断、有名無実化、金が政治を支配する結果となる』
『  』内 トランプを生んだアメリカの衰退より、伊藤貫(在米ジャーナリスト)

これって、イデオロギーの違いはあっても中華人民共和国と共通点…ありでは!


そうです、今の中国を育てたのは米国そのもですからね。
(米国の対中政策に長年携わってきたマイケル・ピルズベリー)は「米国は中国の国家戦略の根底にある意図を見抜くことはできず、だまされ続けてきた」


米国の仮想敵国で壊滅すべき国・民族は戦前の大英帝国と大日本帝国(日本人)戦後は潜在的には日本、そして、ソ連邦・ロシアと変わりがありません。そこに中国は入っていないのです。
歴史を検証すれば明確なのですがね!


ドナルド・トランプ大統領の登場を秘かに悦んでいるのはロシアや中国ではなかろうか。これからそれが現実となってくるでしょう。自由民主主義の擁護者の衰退が視えている現在、日本の安倍首相をはじめ欧州の指導者は米国次期大統領ドナルド・トランプに自由民主主義の重要性を今更説く必要があるのか?
そう考えていたが、日本国の現実を深慮すれば安倍晋三首相が世界の国で“いの一番”にニューヨークで会い、ドナルド・トランプの思考、本意が把握できずとも日本の立場を確り説明したと考えれば評価に値する。
流石!安倍晋三首相と言いたい!


今、世界の勢力地図は大きく変貌しようとし、日本はその渦中に巻き込まれないという選択肢はない。


その状況下、この群島に住む民族は極めて能天気である。
日本国憲法を70年間一字一句変えることをしなかった。現実と乖離している事も分かっていながら、世界の常識の中で国の在立を主導せねばならぬ政に携わる多くの人達の危機感の喪失は一体何故なのだろう?
衆・参憲法審査会が、漸くでも何だか嫌々開催された雰囲気に映る。議論内容は全く低次元、改憲第1要件の衆、参院の2/3の数を占めたと言うが。政権与党、公明党、そして左傾化した民進党が大きなネックになる、両党ともポピュリズムの最たる集団である。
民進党は安保法制で曖昧な要件で集団的自衛権を認めたことは、立憲主義と憲法九条の平和主義を揺るがすもので、白紙撤回を求める、と発言。
現行憲法の成り立ちを改憲要因の一つとして説く自民党に対し、

民進党辻本清美議員は 「敗戦コンプレックスから思考停止している不毛の憲法論議だ」と発言。社会党、社民党で散々日本を貶める反日的発言をし、落ち目の政党から民主党へ鞍替えする(転向ではない)節操のなさは、敗戦利得者の最たる者である。
(前にも書いたが、ピースボートを主宰、その船が海賊対策で海上自衛隊派遣地へ抗議しに行き、逆に守られ救援されたという話を国民は知っていますか)

戦後の日本の国が一国平和主義を掲げて外界の政体の変化、紛争の多様性、環境汚染等々日本に関係があっても平然としていられる神経、そして危機感の喪失は何処にあったのか?


水島 総氏の「情報戦の最前線」から引く
戦前の日本国は長い歴史、伝統の中で脈々と繋がって来た「政体」が「国体」を創りあげ、民族の大義を貫徹させるという日本独特の死生観、欧米人の愛国心など及びもつかぬ高貴と勇気、美意識に満ちた精神を欧米人は恐れたのである。
従って、日本が絡んだ戦いには、アジア人への人種平等と独立、融和という秩序を求めての戦いであったから常に「講和」を予想した「部分戦争」であった。
しかし、欧米諸国は違った。対日戦略、政策は日本を完全に叩きのめし、破滅させることを目指した。しかも相手を殲滅、絶滅させても、領土、人民、財産を奪い取る略奪戦争であった。
そんな相手に敗れ「政体」は崩れ「国体」は壊されたのである。
その大きな要因は、占領化でGHQが原案を作成した現行の「日本国憲法」と極東国際軍事裁判による自虐史観の日本民族への移植であった。

そして、戦後創設された国際連合(国連)“United Nations”は第二次世界大戦戦勝国連合であり、大日本帝国(日本国)、ドイツ帝国(ドイツ)の否定である。従って、サンフランシスコ講和条約において国連復帰を果たした日本は、戦勝国の、言うが侭に振る舞う立場に置かれたのである。(敵国条項が未だに遺っているのである)
即ち、戦後の日本はそれまで大日本帝国を否定する「反日国家」になって行くのである。従って、安倍晋三首相が「戦後レジームからの脱却」「日本を取り戻す」を主張したのを歴史修正主義者として疑惑と非難を受けたのは戦勝国側からすれば当然なのである。
又、それに対し、多くの日本人が異を唱える事も出来なかったのは、戦後の流れからして当然の帰結だったのである。「戦後レジーム」が理解できなくなっているのだから、救い様があるのか?』

又、安倍晋三首相の国家経営にポピュリズム傾向が散見すること憂慮す。
慰安婦問題日韓合意、戦後70年談話、そして憲法改正を含む国家の立ち位置の確立に、強い意思を発揮して頂きたい。
鳥渡、問題が起きると急ぐ「有識者会議」「○×△委員会」等第三者委員会を設置、纏まるものもまとまらない。それは国から地方自治体まで日本の何処彼処で日常化しているのである。国民の代表である議員達は自制しながら大局に起って何故?決められない。
これもポピュリズム的傾向社会の悪弊である。
(天皇陛下の「生前譲位」問題も戦後の国家の変遷から必然的な現象)


最後に戦後71年、大きく変貌した国の容を、一例を以って表わす。
ドナルド・トランプ次期大統領が米軍の海外駐留費の負担増に言及。
日本に増額要求したら、あなたはどう考えますか?の設問に若い男性(20代半ば)
「戦争で死ぬのは嫌だから、米軍に守ってもらっているので増額はやむを得ないでしょう!!」多くの人が“やむを得ないでしょう”でした。


その日に、自衛隊に「駆け付け警護を付与」訓練を受けた隊員が南スーダンに派遣された。隊員と家族のわかれの姿に上記若者の意見を重ね、複雑な想いと共に“これが日本国の現実だ!”


危険を孕む地に派遣される若者に寄り添う情を日本人等しく持たずして、危機的状況下の世界の中で日本人の矜持、国の平和と存立ありや!