ときに鋭く世相を斬り、ときに緩やかにあなたを癒す珠玉(?)の時事エッセイ。お仕事中の息抜きなどにお読みいただけたら幸いです。

2018/10/01 第130回 米中覇権攻防の行方に日本は!


米国オバマ政権(民主党)からトランプ政権(共和党)に交代して約2年。
就任したドナルド・トランプは前政権が推進してきた政策を悉く否定することによって、世界を混乱の渦に巻き込んでいる。


そのなかで、最大の政策は中華人民共和国に的を絞っている貿易戦争である。その巨大覇権国家を創ってきたのは誰であろうアメリカそのものである。


対中一極集中攻撃では多くの問題に波及し、極めて危うい関係に積みあがってしまう。従って米国と密接な関係を構築してきた同盟国、EU、中南米、カナダ、オセアニア、中東含む地球規模で問題を提起し影響を与えている。日本企業にも影響は出始めている。


日本に対する影響力は鐵鋼、アルミニウムに25%関税を課すが、輸出量を減らすことなく高付加価値製品の強みを証明している。
しかしながら、
北朝鮮の核・ミサイル廃棄問題での米朝交渉過程に於いて米側が日本に対して、どの様な役割と負担を強いるのかは今の所不確定である。だが必ず事は起きる。
例えば、防衛費のGDPに占める割合に於いてTrumpはNATO加盟国に2%達成を迫り、更に4%に引き上げよ!と圧力をかけた。
その論理で申せば、日本の0.8%に不満がないはずはなく、1%に引き上げよ!と圧力をかけられ、1兆円の増額は可能なのか?
自動車に対する追加関税他はどう決着できる?


日本の東アジアでの地理的立場を考えれば、北朝鮮とは核・ミサイル廃棄、そして日本国民の拉致問題の解決という最大の重要案件を抱える、そして歴史認識問題、不法占拠する竹島の領土問題では我が国を常に貶め続ける、建前では友好国、韓国との複雑な関係では、弱腰外交に陥ること屢で恒久的である。
それは日本人にとっては屈辱的でさえある事で、日韓両民族の心情の根底にあるマグマは、今後これに北朝鮮が加わり、更に拡大するだろう。
この解消には、朝鮮民族の歴史認識の修正以外にはあり得ない。翻って、日本国自身の問題でもある。


ロシアとの関係に於いては、北方四島の領土問題が頑として立ちはだかり、不法占拠を大東亜戦争戦勝国として正当化している。
北方四島は日米軍事基地設置しない約束をしても返還しないであろう。
おさらいすれば、
戦時中、日本とソヴィエトとは日ソ中立条約締結が効力を維持していたし、実際、ソヴィエトは日本と戦争をしている当事国ではなかったのである。
ソヴィエトはナチス・ドイツに対して戦う連合国軍の一員であり、ヨーロッパ戦線で手一杯。
アメリカの参戦によってナチス・ドイツは降伏し帝国は消滅したのである。(こヽが日本と異なるのである)
日本は日独伊三国同盟を締結したが有利に働いた事実はなかった。
驚いたことに戦後、イタリアは日本に賠償請求までしているのである。


米英ソはヤルタ会談によって、ソヴィエトの日本への参戦を促し、その代償として南樺太と千島列島(クリール諸島)の占拠を認められ、日本のポツダム宣言受諾を知っていながら、満州(日本国領)に侵略、8月15日過ぎても戦を継続し、南樺太、千島列島全てを占領したのである。(アメリカの大統領F・D・ルーズベルトの発案)三国の日本憎し、日本憎しは歴史の識る所なり。
日本=悪でない事を日本人が認識するところから、この先日本が進むべき道を見い出すことが重要なのである。
即ち、自虐的、贖罪意識を日本人は植付けられ、自らそれを表面に出し、突き破ろうとすれば、反対に戦勝国や日本と戦っていない朝鮮半島国、建国されていなかった中華人民共和国が反発、日本は弱腰になっていくのである。
又、その環境の日本社会を作ってしまった反日日本人の罪も極めて大きい事を認識すべきである。


大戦が終わって既に70年余、過去に創り上げた歴史認識は大きく変貌、いや間違っていたという事実は、多くの機密文書、資料の情報公開によって明らかになってきている。
しかし、一度定着した認識を修正する事は至難な事である。
例えば※「ヴェノナ」文書の公開によると:

※アメリカ陸軍のソヴィエトへの懐疑的状況(ソヴィエトとナチス・ドイツが単独講和を結ぼうとしているのではないか)を把握しようと、ソ連の暗号の傍受、解読する作業につけられた作戦名「ヴェノナ」(Venona)


当時の米国大統領F・D・ルーズベルトの周囲に居て影響力を行使したソ連のスパイや容共的思想を持つ高官が大統領の決定に深く関与していた事実。
ハル・ノートを書いたヘリー・デクスター・ホワイトは財務省NO.2の実力者であり、ソ連のスパイであった事が認められる。


又、ハーバード・フーバー元大統領の回顧録『裏切られた自由』に於いては、共産主義国家ソヴィエトを連合国の一員に加えた、過ちの結果が、欧州、ポーランド、そして中国の共産化であり、ドイツの分裂、そして朝鮮戦争も、その延長線上で起きた。
どの場面でも、前述したアメリカ政府内部に侵入したソヴィエトのスパイや容共思想を持つ政府高官が深く関与していた。
現代日本を悩ます中国、韓国の戦後の動きを理解するうえで重要な事実が書かれているという。


中国と韓国は日本を『極悪国』として捉え、歴史認識では日本の主張を一切受け付けず、21世紀になっても非難を続けている。
歴史捏造が明らかな南京大虐殺案件でも慰安婦問題についてでも東京裁判でアメリカが正式にでっちあげたプロパカンダであり、良く知っていて、日本を擁護しようとしないのは?


F・D・ルーズベルトとウィストン・チャーチルの戦争指導があまりにも愚かであったからであり、その愚かさは日本(ナチス・ドイツも)問答無用に“悪の国”であったことにしない限り、隠しようがないからである。
そしてアメリカが自らの歴史に修正を加えない限り、現実は続くと考えておく必要があるのであろう。
自らは歴史修正国にはならず、安倍晋三首相を歴史修正主義者と非難する理由も理解できるのである。


米国は対中貿易における米国の赤字は不均衡極まりない!と。
それはドルの流出即ち国家の弱体化という極めて単純化拙速的に見えるが奥が深いようにも考えられる。
中国の出超3,800億ドルを2,000億ドル削減する目標を企て、360億ドル、140億ドル相当の半導体、化学品に25%の関税を発効した。
そして2,000億ドル相当の日用品、家具に10%の関税を今年発効(9月24日)2019年は25%とする。これに対して中国側が報復実行すれば、2,670億ドル相当に追加すると発表。即ち、中国からの輸入額すべてに相当することになる。(中国側は500億ドル相当の石炭、大豆などに25%、中国の米国からの輸入1,299億ドルだから残り約700億ドルで600億ドルを第3弾として5%~10%関税上乗せを発動)


リーマンショック後の中国の全貿易黒字は3.7兆ドル(414兆円)にもなり、その殆んど米ドルで獲得している。
そして流入するドルは全て中国人民銀行が決めるレートで買い上げ、人民元資金を市中銀行経由で企業、地方政府、家計へと供給している。


米国はリーマンショック後:ビジネス機会を中国市場に期待し、中国の知的財産権侵害、高度技術の窃取などの不公正貿易慣行や金融制度を黙認してきたのである。
結果、中国政権は対米を中心に輸出攻勢をかけ、外国企業の対中投資を呼び込んで外貨を獲得し国内金融を安易に膨らますことが可能になった。


そして中国は対外投資や軍拡にもドルを惜しみなく投入。
南シナ海人工島軍事基地化、アジア、中東、欧州、アフリカへの「一帯一路」の推進による相手国への債権化は中国のWTO加盟容認と共に米国の対中政策の誤りである。


トランプ政権の対中強硬政策は、中国の特殊な金融制度の崩壊を目指し、貿易赤字国への転苦を狙っている。
即ち、中国の貿易黒字は1,000億だから米国が2,500億ドル分に25%、10%の関税を課し、3,800億ドルの赤字を2,000億ドルに削減すれば、中国は赤字国になるという計算がある。
結果、中国は規制撤廃して、資金の流れを自由化し、市場需給と経済を実体に即した金融システムに変える状況となるか。
国家資本主義は米国も日本もアジアも望まないはずだ。


8月には対米外国投資委員会の権限強化を盛り込んだ「外国投資リスク審査近代化法案」を可決した。
更に、国内100校以上の大学について「孔子学院」との取り決めを終結させることを強く望んでいる。
中国の通信機大手中興通訊(ZTE)に対して7年間の取引禁止を決定したが(イラン輸出規制に違反した為)ZTEは罰金14億ドルを支払い解除される。(7年間の監視対象)
政府機関、米政府と取引のある企業は取引禁止。
豪州では華為技術(ファーウェイ)、ZTE二社の参入を禁止する決定に踏み切った。
英国も安全保障への懸念を発表
サイバー戦争の激化は「人工知能(AI)同士の戦い」という時代に突入。
そしてモノをつなぐインターネット「IoT」用の通信規格5G、次世代型AIの必須技術。この5G規格を巡っても戦いが始まっている。そして、その技術を機能させる機器に問題有りとして、懸念、制裁、導入禁止措置を取っている今日、日本の野田某総務大臣は5G規格化に日中共同で、と提案。安全保障上のリスクを考えぬ、能天気さ!

日本の動きは極めて優柔不断のように伺えるが果してどうなのか?様子見なのか?


国内に於いては国民が否応なく決断、選択する国難打破案件が山積している。


・北海道胆振東部地震で発生した電力blackoutは地震の直接被害も大きいが、人間社会生活に最低限必要とする電源喪失は電力の需給バランスシステムへの理解、そして電力ベースロードのバランスに対する認識不足として露呈した。
停止中の泊原発207万kwが稼働していれば、どうだったのかという議論が全く見えなかった。これは北海道だけに非ず。
温室効果ガス(CO2)削減に積極的でない米国と今の日本は全く同じである。
blackout状態を嘆き報道するだけのマスメディアは自らの務めにも眼を向けるべきである。
世論操作は政権打倒だけではない!


・災害大国日本に不可欠な自衛隊の派遣は常に迅速を極めた。
主な自衛隊派遣を拾うと、1991年 雲仙普賢岳火砕流、1995年 阪神大震災、2004年 中越地震、2011年 東日本大震災、2016年 熊本地震、2018年 西日本豪雨の派遣延人員は、何んと、1,484万人。膨大な隊員の救援活動は、災害大国日本にとっては、国民の安全保障上有り難い、心強い集団である。
この集団を憲法に書き加える事に何の異論がある!
公明党、立憲民主党、共産党の平和ボケ集団よ!


共産党で24年間議長を務めた野坂参三(GHQが重用した)は党代表して憲法九条を「これは一個の空文に過ぎない」「わが国の自衛権を放棄して民族の独立を危うくする危険がある」と反対したのである。だが今はどうした事か護憲である。
今の志位委員長の「自衛隊が憲法違反なのは明瞭だ。大規模災害など必要に迫られた場合には活用するのは当然だ」このご都合主義の彼らは、存在する限り、決して変わらないだろう。こんな政党を支持する日本人が蔓延する時代、何時迄続くのか?


米中貿易戦争は唯のカネの損得勘定ではなく、不公正な状態を維持、覇権争いをする国家資本主義大国と自由民主主義大国の二者が争い、地球規模で体制、社会システムが崩壊しようとしている時に日本はどの様な進路を選択するのか。


事勿れ主義、ポピュラリズム的姿勢では最早通用しない世界となっている事を認識する必要がる。
米中関係の悪化は中国の日本接近が顕著となっており、日米同盟に楔を打ち込みたいのである。
そんな時、自民党二階堂幹事長の如く親中派が“のこのこ”訪中するのは日本自立のチャンスを逸する事なり。


安倍晋三首相は任期3年を獲得、日本歴代最長期間の宰相となる。
来年は今上天皇の退位もあり、退位前、この混迷の時こそ、揃って靖国親拝を実現すべし。中国は隣国と違って大人なり!


・参考 米中貿易戦争は世界を安定させる。(田村英男)

フーバー大統領回顧録『裏切られた自由』を読み解く(渡辺惣樹)