ときに鋭く世相を斬り、ときに緩やかにあなたを癒す珠玉(?)の時事エッセイ。お仕事中の息抜きなどにお読みいただけたら幸いです。

2018/12/03 第132回 米国・中国覇権争いと日本!


パプアニューギニアで開催されていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の関連会合は、当参加国間最大の懸念材料である米中貿易摩擦から湧き出る難題が一挙に噴出したものである。
首脳宣言の採択には中国以外の全ての参加国が同意していたが、中国政府代表たちの宣言阻止行動は強引で警察沙汰になったとのこと。
結果として
議長声明は“一つの会場に対峙するに二大国がいて声明など出せない!”との弁である。
(11月28日、PUNは通信敷設を華為技術(ファーウェイ)に決定したという)


米中間は経済戦争の体を為しているが、単純な貿易収支の損得勘定のみが背景ではない。
体制として相入れない主義がその主要因であろう。


貿易での米側の入超は、歴代政権が自由・民主主義を建前にした自国が海外進出に力を注ぎ、国内生産コストを大きく下回る経済環境を海外に構築してきた。
海外生産、輸入増加、大量消費のサイクルである。
これが現代米国の姿だったのである。


東西冷戦終結後、米国一極で推移してきた世界、そして海外先進諸国の生産拠点として、その役割を担ってきた中国は、人口14億人を抱える潜在的消費大国でもあったのだ。
米国と異なる体制は共産党一党独裁下での国家的資本主義経済を以って中国は世界に類をみない大きな成長を遂げてきた。
GDP世界第2位の日本を追い越し、その勢いは自由・民主主義国家に対する脅威となり得る戦略を実行に移してきたからである。


そして、2018.7月現在
中国の外貨準備高は3兆1,180億ドル(約499兆円)を保有。
これを原資に米国債を1兆1,880億ドル(約190兆円)購入している。
この現況は中国にとって強力な武器となる。
中国が米国債を売却すると脅したら、前時代ならどの様な解決法を模索しただろう。
うろたえながら!
だが、現トランプ政権なら慌てることなく、FRBにドルを刷らせれば良いだけである。
それに米国の自信の裏付けで忘れてはならないのは“シェールガス”の出現である。嘗ての国際紛争の因に石油利権が絡んでいた事は周知の事実である。
その米国が2017年対中国貿易収支は(113.50円/ドル換算)

輸入 5,055億ドル(57兆4,000億円)
輸出 1,299億ドル(14兆7,000億円)
収支3,756億ドル

トランプ政権は、この大きな赤字という隠しようの無い事実に“アメリカ・ファースト”を第一に掲げ、憤っているのである。
中国にとっては大幅な黒字であり、共産党が追求する社会に世界共通通貨ドルを支出し、覇を求めてできたのである。
共に覇を求める米国のトランプ政権にとっては歴代政権の政策、戦略とは全く異なる手法で実力行使に踏み切ったのである。


まず、赤字縮小の為、輸入品に対する関税の引き上げである。
中国全体の黒字を米国の政策で縮小・赤字化は簡単である。
即ち高関税を科し、継続する事である。
しかし、この政策は長く続ける事は難しい。何故なら米国民にとっては物価上昇として撥ね返ってくる。又中国にとっても意地を通すことも難しい。従って落とし処が難しい!
2018.10月の中国の対米貿易収支

輸出 427億ドル(4兆8000億円)前年同月比 13%増
輸入 109億ドル 318億ドルの黒字 前年同月19%増

数字だけみれば何んの変化も窮えないのでは?どうなっているの?


米国の政策は関税だけではない。

①中国の国営企業(中国政府が25%以上出資)の米国進出禁止

②中国企業による対米投資を監視する(国営・民間企業すべて)
対米投資監視委員会の設置
国家安全保障上CIA,FBIから許可を受けなければならない。
(アメリカ企業の中国進出にも適用)

③WTO改革
WTO組織の一つ「アパレートボディ」上級委員会の各種委員会の決定に不満あり。
委員会にはトラブル関係国が上訴できる組織で、7人の委員から成る。
それが香港、アフリカ、シンガポールなどが基本的には中国に好意的な判断を下している。任期切れで再選認めず、4人になって中国に有利な決定が出来なくなった。


貿易収支よりも重要と位置付ける懸案事項は、中国が米国の先端技術を不正な手段で入手しているとの不信感が極めて強い。
そして、経済力、軍事、民生両面での優位性が年々中国に追われているという焦燥感にかられている。
(米国から稼ぎ取ったドルが湯水の如く使われていると考えているかも・・・)
先端技術の不正な手段の入手に対する憤りは大きい。
米国は拓かれた国でもあり、多民族を移民として受入る寛容な国家でもある。
しかし、それが技術革新の激しく速い時代に、人を介して、あらゆる手段、方法を介して高度技術の盗用(窃盗とも表現)されていると確信している。
全米の大学に設置されている「孔子学院」100カ所はスパイ活動の拠点となっているとして閉鎖が相次いでいる。
又、中国内外資系企業内に共産党支部の設置は組織上経営の上にたつ。
又、米国の入超はドルの流出、そして中国の経済・軍事力強化に供され、覇権街道「一帯一路」まっしぐら!
受給国の債務化の拡大も表われ、経済、軍事覇権の構築の具体的事象となっているのである。


アジア太平洋経済協力会議(APEC)21ヵ国地域参加では、米国、ペンス副大統領VS中国習近平国家主席の覇権争いの真っ只中の様相である。ペンス大統領の姿勢は※110月4日の対中政策の演説内容に添った対応であり、対して中国習近平国家主席の姿勢は
・保護主義に反対。
・一帯一路は開放的な協力のプラットホームだ。
・ドアを閉じて小さなグループを作ることではない。
・引き続き大幅に市場参入条件緩和、知的財産権保護を強化し輸入拡大する。
・内外企業を平等に扱い、公正な競争を歓迎し、合法的権益を十分保障する。


≪ルールとは国際社会が協同で定めるべきもので、腕っ節が強く、気が強い誰かが言えば決まるものではない。
対抗の道を歩めば、冷戦や貿易摩擦でも、真の勝者がいないことを歴史が教えている≫
暗に米国を批判。
米国は中国に対して本気で怒って、具体的な措置や政策を打ち出し会議に臨んでいるが、中国は具体性に欠け、ポリティカル・クレスト的発言で本心、本意、窺い知れない。


複雑な各国の関係は北朝鮮問題で米朝韓・中、ロシアの立ち位置では中露、米露、日露、露シリア、日本は米・中・露・韓・アジア太平洋地域国等々複雑化した関係国間の中で日本の国益を追求して行かねばなりません。
北朝鮮の核・ミサイル開発の非核化・・・は遅々として進まず。
韓国親北政権文在寅大統領は前のめりで、北朝鮮への国際間制裁を緩和せよとか、APEC声明の北朝鮮への懸念声明の言葉に“不可逆的”を使用しないで欲しいとか。積極性なき韓国として映る。
又、北朝鮮は慌てておらず、先般の韓国大法院の“戦時労働者動員”での判決に日本非難のコメントする余裕さえ出ている。


韓国京畿道で「戦争被害」をテーマにした(国際?)シンポジウムが開かれ北朝鮮側出席者は「日本は謝罪や補償はおろか(責任を)認めさえしない。北と南が手を握って日本の罪悪を暴き不幸な歴史が繰り返されないよう努力すべきだ」と。
又、日本から出席した鳩山由紀夫元首相は
「日本企業や政府は厳しく受け止めなければいけない」
日本を貶める為に訪韓までする元日本の指導者又、今日まで貶め続けている元首相菅直人と共に国家毀損○○罪で裁けないものか?


「徴用工」賠償裁判については河野太郎外相の号令で反論する内容を纏め、英文化し在外大使館に配布、広報活動に務めよ!と号令をかけるが、資料はA4判1枚とか?
日本は過去様々な問題で事実を捏造、婉曲され攻撃されてきて、その都度、謝罪を含め言い訳に終始して来た。
今回まだ不足だが日本の主張を広報し始めた点は評価できるが、懸案事項含め“日本の主張”を外国語で発信する事に真剣に取り組め!
最近、慰安婦問題の教科書的資料である。
「慰安婦の真実「慰安婦と戦場の性」秦郁彦著」が日本戦略研究フォーラムの手によって英文化された。日本として初であり、海外の専門家や国際関連機関の関係者、外交官、メディア関係者に熟読してもらう様、民間に頼らず政府は広報に務めよ!


米国に異形な人物が大統領に就任して2年、多くの側近が辞任、解任され、米国は混迷しているのである。米中貿易戦争もその一環かもしれません。しかし、決断力は日本の指導者など足元にも及ばぬ。新しく発足した内閣で既に安倍晋三首相の足を引っ張る人物片山さつき地方創生担当相(政治資金収支報告書)桜田義孝五輪担当相(議員としての資質に疑問)は早々に退任してもらうべく解任する事である。
兎にも角にも揚げ足ばかり獲るしか能の無い野党やメディアにつけ込まれない人材は与党にいないのか?
与党の一員面している護憲派、ポピュリストの魂、公明党を切る勇気が自民党にはないのか?中途半端からは何も生まれない。
米中間の闘いに、10月4日米ペンス副大統領の演説を熟読して、真意を推り日本の姿勢を組立てたのだろうか。日中首脳会談の為に!?
中国は困難に直面すると日本に擦り寄ってくる。それを熟知していながらの日本・中国の※2友好ムード、危うい!と考えるのは我ら少数派か?


最後に
中国は2015年「中国製造2025年」という構想を発表している。
2025年まで「手段を選ばず」主要な技術分野をすべて「中国標準」に塗り替えることを目指している。
世界の技術覇権を握ることが主たる目的だ。たとえ、どんな手段を使っても取得せよ!


これが実現すれば2025年以降中国の市場は「中国標準」の壁で固められてしまう。
たとえば、日本企業が独自開発した高度な技術であっても、中国側に合わせたものでなければ参入できない。しかも中国政権裁量次第。


米国の対中諸政策の狙いは、貿易不均衡の是正だけではない。
本当の狙いは、中国の経済覇権による中国の「支配」を阻止することである。
「中国製造2025年」戦略をぶっ壊す、潰すことである。
その先にあるのは体制の崩壊、自由民主主義国の誕生である。


米中間の覇権争いに、日本はどう対処するのか、大きな岐路に差しかかっている。


1米国ペンス副大統領の10月4日の演説の礎は
マイケル・ピルズベリー著「China2049」秘密裏に遂行される世界覇権100年戦略を参考にしたものである。著者はリチャード・ニクソンからバラク・オバマにいたる政権で対中国防衛政策担当し、30年間、中国専門家として誰よりも中国の軍部、情報機関と通じている政府機関で働いていた人物で親中派だったが、真実に触れ中国の真意を表わし、米国をはじめ、自由民主主義国家に警鐘をならした。日本の政治家、官僚は必読である。


211月4日安倍首相訪中、10/20-11/4迄中国政府は日本を刺激する事を禁止したのである。日常行為、尖閣諸島周辺へ公船派遣もである。ところが会談終了後11/5~11日連続でEEZ内に侵入。
「平和・協力・友好の海」確認したばかりなのに、中国とはそういう国である!