ときに鋭く世相を斬り、ときに緩やかにあなたを癒す珠玉(?)の時事エッセイ。お仕事中の息抜きなどにお読みいただけたら幸いです。

2019/06/03 第138回 ポピュリズムの流れ、日本にも!


地球規模で政治・経済が激動しているという実感と危機を、島国日本に住む“平和惚け”日本人には全んど持ち合わせていないのでは?
グローバル化という現象の中に溶けるが如く没入していって、その結果形成されてきた社会環境を基に思考を導き出す。
別の言い方をすれば、戦後体制をすべて呑み込んだ精神で創り上げた社会の中で
日本人は「何を言っても、何を仕掛けても、この国の国民はもう反応する動きを見せない。

今年、幾つもの石を投げ入れてみたが、国民の心は小波ひとつ立たない泥沼のように静まりかえっている。
この国の国民はもう過去のことも、未来のことも気に掛けなくなった。
今、幸せであれば、すなわち平穏無事であれば、それで良いのである」
(西尾幹二:評論家と括るが、哲学者だ)

この言葉の背景を突き詰めて思考すれば、
日本の指導層が戦後体制の打破を意識し、精神構造の意識改革以外に日本の将来に明るさを取り戻すことは不可能だということであろう。


日本の社会構造は、政治・経済をはじめ諸象が世界の国々と係わり合っていることを確と認識すること、思考の基本である。
既に、日本以外の国々は、米国を筆頭にすべて“自国第一主義”路線の上に国益追求している事を解らねばなりません。
そして、日本の現実はといえば、それらの国々の国益追求に合わせ、従ったり、自説を発信しなかったりして、日本国を窮地に追い込み、伝統や日本の近代化の歩みを否定して、国の容を破壊してきたのが敗戦後の体制の変遷であろう。
例えば
  • ・ 歴史問題は惨憺たる有様で真剣に思考したら鬱になる!
  • 北方領土、竹島問題、尖閣諸島の領土問題での相手国への対応、米国、中国、露国、朝鮮半島国との歴史問題と懸案事項は山積するも、国家の矜持を再構築する哲学、理念なき現状を憂えずにはいられない。

⦿自由主義の国(日本)が、共産主義独裁国家の人間に土地、株、債権を売ることを国内法で禁止しない。

日本人は、その国(中国)の土地を買って私有化はできないのである。
何故、中国人が日本の土地、水源地を自由に買えるのか?

・ 北海道の現状を何故問題にしない?

・ 対馬の現状を何故問題にしない?

・ 沖縄への中国の工作活動を何故問題にしない?

・ 公共事業である水道事業を何故海外企業にまで門戸をひらく?


全体主義共産主義国家の人民に自由主義国家の国民と同等の権利を自由主義国家の内部において与えることは間違っていると思いませんか。


・ 憲法改正での護憲政党、公明党への配慮は真っ当か?

・ アイヌ新法は歴史的正当性、必然性ありや!
(沖縄で“土人”との表言を差別発言だとして問題にしたが、本来は“土着人”を指す)

・ 出入国管理法改正(強行採決)は緩い部分の法律強化策の一部であっても、これは移民法そのものであり、少子高齢化による労働力補完政策であり、本末転倒である。

2019.4.1現在の日本の総人口(推計)は1億2,623万人、
その中に日本に居住する外国人が含まれている事を識っていますか。
既に276万人です。人口減少問題を薄めるのか?
既に日本は移民国なり。
その為の社会インフラは未整備である。日本国の人口構成に対する対策は小手先政策であり、本質論を何故議論しない。(桜田義孝議員の発言が何故?最低・恥だ・人権に対する意識の欠如・おごり・ゆるみなのか? ポピュリズム的批判そのものである)


成立する国内法の多くは、大衆迎合的傾向に流れ、その中心的思考はポリティカル・コレクトネスにあり。日本の安全保障の一環である南西諸島防衛力強化策も国民に大局的見地からの賛意が得られにくい。そして、その対策は愚策そのものである。
日本の社会構造、精神的構造の固定化は、政策遂行に支障をきたし、時に遅し、妥協の産物をうむ。
懸案事項を挙げたら紙幅が足りない。
今月は唯一点、「北方四島返還問題である」

北方四島は“日本国固有の領土”であり、ロシア(ソ連の後継国)の領土に非ず、という主張の上に立った返還要求である。
日本人は“北方領土”に関心が薄い。他でも同じだ!
何故、現在も日本領土なのか?

・ 1855年2月7日ロシア帝国と結んだ“日露和親条約”で「北方領土は日本領土である」となったが、ソ連によって略奪され、返還実現に向けて、敗戦後の1981年、2月7日を「北方領土の日」と決定したのである。
この条約を改めて再認識しておくことが、日露領土交渉の第一歩でなければならないのである。
そして、1875年北方四島を除く千島列島と樺太を交換する条約を締結した。
それが、第二次世界大戦終戦8月15日(日本軍は武装解除していた)から2日後の17日、アラスカ寄りの占守島(しむしゅとう)伝いにソ連は日ソ中立条約を踏み破り、北方四島まで掠め獲った。
(更に北海道の一部すら要求したのである)


この行為は、ヤルタ会談(米:ルーズベルト大統領、英:チャーチル首相、ソ:スターリン首相)での密約の結果であり、北方四島の帰属問題は、ルーズベルトが蒔いたトラブルの種であり、国際的正統性なきものである。ジョージ・W・ブッシュ大統領は、ヤルタ会談は間違いであったと発言したが、日本は反応しなかったのだ。


・ 樺太や千島がロシアのものだと認める国際条約は存在しない。

・ 吉田茂元首相がサンフランシスコ講和条約受諾で「北方四島は日本固有の領土」であります。と演説。この条約に署名しなかったロシア(ソ連の後継国)に「大戦の結果を認めろ」(戦果)などという資格はないのである。(チェコ、ポーランドも未署名)


更に、この世紀に入ってもロシアは周辺諸国に非正規軍を派遣して領土や勢力拡張を図っている。

・ グルジア紛争で同国の領土20%占拠

・ ウクライナからクリミア半島全てを略奪、東部を実行支配下におく。
(この2地域の住民にロシアのパスポートを付与する大統領令を出している。紛争時にロシア国民を守るという口実を与えてしまうのである。)
ウクライナ艦船と乗員を拘束し、親ロシア派勢力を通してウクライナ東部を支配している。
これ全て国際法違反である。

・ シリアに4,000人の兵士を送り、兵器の実験場として殺戮を繰り返し、リビア、ベネズエラにも傭兵や軍事力を送り、紛争拡張する。
更に、戦略兵器や宇宙サイバー攻撃を盛んに行う。

・ 千島列島中部の松輪島に中距離ミサイル(INF)を配備しているとの観測もある。
四島への軍備も積極的に行っている。

・ ロシア国防省機関紙「赤い星」は、実効支配する択捉島で新型地対艦ミサイル「パル」の発射演習が行われていた、と発表。(5月23日付)

・ メドベージェフ首相:色丹島の経済特区に観光施設の推進を発言。

・ ロシアのラブロフ外相は常々、「北方四島は世界大戦での戦勝国の戦果であり、ロシアに主権があり」との強硬発言は、ロシアの政治・経済諸事情から、《日本に領土返還する意思が毛頭ない》と考えるのが冷静な判断力となる。


最近判明した事実

日露和親条約前の19世紀前半に大英帝国の地図に「北方四島」は「日本領」と認定されている。(英国外務省公式文書として保管)
当時の大英帝国は「世界標準」を設定していたのである。
歴史の事実は時代と共に新発見があり、それを有効に使う柔軟性を関係指導者は持て。
竹島・尖閣諸島にも歴史的証明可能な資料が現存するに手を打たない日本は国益を何んと捉えているのか。


日本と露国と領土問題を考える最中に、
日本維新の会、丸山穂高衆院議員の「北方四島」返還問題での発言が大きな物議を醸した。
与党自民党は曖昧さを含んだ批判に止めたが、マスメディア、所属する日本維新の会を先頭に野党すべてが暴言、愚かな発言等々、最大限の表現を駆使した批判の大合唱である。
国民によって選ばれた議員を辞職に追い込む算段をする事、許容されるのか?
発言内容は省くが「時、場所、状況認識」に大いに問題があったと思うが、果して間違った暴言・愚かな発言だったのだろうか。


日露領土問題の流れを大略として前述したが、今年の2月7日の「北方領土の日」に政府は“日本固有の領土”を放棄してしまったのである。歴史上の事実を封印したら、再登場はないのである。

北朝鮮に対する不動の姿勢も外務省は蚊の外に措き、“何も条件をつけずに日朝首脳会談に臨む”と首相自ら表明した。
誠に語彙貧弱な指導層である事も戦後体制の垢の蓄積の果であろう。
特に、日韓関係最悪環境下での岩屋防衛大臣の姿勢は現実・現状を全く認識していない理念・危機感なき失格大臣である。安倍首相の任命責任は重いのである。


中国に対しても、日本国としての長期戦略もなく、米中貿易戦争の負の影響を受ける中国にスワップ合意までして迎合する姿勢が窺える。
いくら中国に擦り寄っても、無実で拘束された日本人の釈放はない。
又、釈放の為に積極的に動いているの? 唯、温泉試掘依頼に応えただけで・・・
判決は懲役15年の実刑です。


尖閣諸島の日本のEEZ内に中国海警船(一部は砲台設置船)の侵入は、2018.11-2019.3月迄に94日240隻、領海に9日36隻、4/12-5/30まで(領海侵入)49日連続してEEZ内に侵入している。過去に類のない行動である。
これに対応する日本の海上保安庁職員のご苦労は並大抵ではない。
この状況を許容し続ければ、実効支配の既成事実化を世界に喧伝し、自国領の主張を絶対に取り下げない中国との間で“どう解決するのか?”
これって、日本の安全保障上の危機ですよ!


日本国として「北方四島」、「竹島」同様すべて隣国と懸案事項の難題を抱えながら、国家として毅然たる姿勢を示すことをせず、忖度しては悪い結果を招き、国を貶めている。又、国内の反日日本人を野放しにし、日本の外交・安全保障政策に齟齬(そご)をきたしている。


“外交は戦争である”、戦後体制は“言論の自由”を標榜しながら、ポリティカル・コレクトネスに添わず、とすべてを否定する社会のカエルの合唱的集団行為が丸山議員発言に対する本質を視ない批判である。


国の将来を担う若者、10代後半-30代の若者に国の現状を憂い、改革保守的思考をする層が増えてきている。今、自民党・公明党の譴責決議案vs野党6党の議員辞職決議案、日本維新の会首脳陣の“ロシア大使館へ出向き謝罪”など全く理解不能である。
マスメディアの人を陥入れる報道姿勢にも問題ありである。


本人の未熟さと、生活習慣に問題があるにしても、騒ぐ前に最初に丸山議員の発言の真意、背景を冷静に本人から聴くことが民主主義国家日本国の最低の条件である。
今、彼等若者の思考に暗い影を映す社会は、日本の未来に光が差すとは決して想えない。


最後に、“北方領土返還運動の積極的推進者であった

小説家・評論家上坂冬子氏(2009年没)は、
本籍地を
《北海道国後郡泊村大字泊村字ウェンナイ1番地》に移した。
その情の叫び!!に日本国は応えられるか。
希いは棄てられないが、記述した現状から導き出されるのは、丸山議員の発言内容に通じるのが自然の流れであろう。
しかし、日本国としては、武力を以って獲り返すことはできません。
なら、どうする!?
結局は挫折を味わう若者を増やす社会が成の果か?
ポピュリズムとは? その功罪とは?